五輪延期では済まぬ。韓国式「新型肺炎」検査が日本経済を潰す訳

 

この2つの問題は非常に重たい課題を含んでいます。

まず1.ですが、一斉休校をするにあたって、仮に「お子さんは重症化しません。ですが無症状のままクラスター化することが回避できれば、結果的に多くの人命を救うことができます」という言い方にしたらどうでしょう?この説明の方が誠実と思いますが、どう考えても「回りくどい」わけです。

ですから、対策を徹底するには「お子さんの健康と命を守るため」という「言い換え」をした方が「結果が得られる」という判断になるのはわかります。更に言えば、安倍政権(の周辺)では、アンチ安倍の世論というのは比較的高学歴・高収入であり、ここまで人命のかかった問題には「ヘソを曲げて来ることはない」という判断があったのかもしれません。仮にそうなら、(そうだとは絶対言うはずはないですが)それも分かります。

しかし、この「言い換え」作戦には問題もあります。今回の休校が「子どもの健康と命を守るため」だと100%真に受ける世論もあり、その中では「無症状なら健康」だという判断の元で、塾に行くのはいいだろうとか、満員電車に乗せて職場に子連れ出勤してもいいだろうという判断を誘発してしまうからです。

反対に対策の真意が理解されている、つまり「無症状の子どもが隠れたクラスターを形成して、静かなパンデミックを誘発、気づいたら重症者が溢れて救命がお手上げに」というシナリオを回避するということで、それが理解されていたらどうでしょうか?塾へ行こうとか、子連れ出勤を認めるのはいい会社という判断は、また別のものとなって行くのではないでしょうか。

一点だけ思うのは、学童保育については、余り批判しなくていいようにも思います。学童に行かざるを得ない子どもというのは、少なくとも「相当に高い率」で「高齢者とは同居していない」からで、仮にそこで自覚のない感染が起きても、直接的に重症者を生み出す可能性は低いからです。

反対に、ベビーシッター代わりに地方から祖父母を呼び寄せて一時同居というのは、ちょっとマズいのではないかとも思います。

この問題は2.も重なって来ます。つまり政府としては、

  • 無症状者や無症状の子どもは、PCR検査をしない
  • 従って、無症状の子どもによるクラスターが発生する可能性はあるが、それは可視化できないし、しない
  • だからこそ、一斉休校措置により統計的に感染の可能性を抑え込むしかない

というのを国策としたわけです。一連の発表には一貫性があるというのは、そういうことです。現時点では、国としてはこの政策に賭けることにしたわけです。つまり、これが国策です。そして、繰り返しになりますが、その最大の問題はギャンブル性ということです。

勿論、このコロナウィルスの新型については、分からないことも多いわけで、そう考えるとどんな政策も100%正しいわけではなく、ギャンブル性があるわけですが、それはさておき、「高齢者、基礎疾患のある人は重症化する」「反対に子どもは重症化しないばかりか、無症状のまま感染源になることもある」ということを前提とした場合に、「全校一斉休校」「PCR検査は積極的にはしない」「軽症者、軽症疑い者は自宅療養」というのは理にかなっていると考えられます。

問題は、そこを「言い換える」、つまり「一斉休校は子どもを守るため」「PCR検査は拡大へ向けて努力中」と言う言い方にすることで、果たして世論が正しく反応するかは、そこにギャンブル性があるという点です。

この点に関しては、ヒヤリとさせられる事件がありました。

というのは、3月2日に開かれた参議院予算委員会で立憲民主党の村田蓮舫議員が、

「高齢者施設などに対して、イベント自粛や学校の一斉休校と同等の対応をしないのはなぜなのか」

と質問したというのです。これは恐ろしいことです。一斉休校の主旨を全く理解していないばかりか、あわよくば反対して足を引っ張ろうという意図が透けて見えるからです。他でもない村田議員ですが、さすがに大勢の人命のかかった国策だということを理解していれば、こんなことは言わないはずで、そうなると「教育水準が高いはずのアンチ安倍」に対しても、隠された国策の意図は全く伝わっていないことになります。

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