森友改ざんで自殺した元職員の手記公開も、再調査は行わない意向

2020.03.19
by MAG2NEWS編集部 NK
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「森友学園」の公文書改ざんに関与させられたことを苦に自殺した近畿財務局職員の手記が18日、公開されたと、日テレnews24TBS NEWS時事通信NHK毎日新聞などが報じた。当初は週刊文春の独占スクープとして報じられたが、遺族が18日に国と佐川宣寿理財局長(当時)を相手に大阪地裁へ提訴したことで記者会見がおこなわれ、手記の内容が公開された。手記には、改ざんにいたるまでの経緯や遺書が残されていた。この手記公開を受けて安倍首相は「(すでに)財務省において事実を徹底的に明らかにした」と述べ、菅長官も「すでに調査報告書で事実関係は明らかになっており、厳正な処理が行われた」としている。

「佐川氏には誰も背けない」

手記には、3〜4回にわたる森友学園の公文書改ざんはすべて財務省理財局が行なったこと、森友学園の籠池泰典理事長(当時)との交渉は財務省が主導であったこと、指示はすべて佐川元理財局長であったこと、そして会計検査院の特別検査を巡る財務省幹部の国会答弁は虚偽であったことなどが書かれていた。決済文書の改ざんの経緯と佐川氏の指示も詳細に記載されており、「修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました」「管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局の総務課長をはじめ国有財産審理室長などから部長に直接電話があり、応じることはやむを得ないとした」「本省からの出向組の次長は、調書の修正を悪いこととも思わず、本省の補佐の指示に従い、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えを行ったのです」「パワハラで有名な佐川局長の指示には誰も背けないのです」と驚きの実態を明らかにしている。


手記公開に安倍首相と菅官房長官は

これを受けて安倍首相は18日、「まじめに職務を精励していた方が自ら命をたたれる大変痛ましい出来事であり、本当に胸が痛む」などと述べたが、「財務省においては、麻生大臣のもとで事実を徹底的に明らかにしたところでありますが、改ざんは二度とあってはならず、今後、しっかりと適正に対応していくものと考えております」と、すでに事実解明が行われたとの認識を示した。

菅官房長官も「亡くなったことに関しては残されたご遺族のみなさんのお気持ちを思うと言葉もなく、謹んでご冥福を申し上げたい」と述べたが、「すでに一昨年の財務省の調査報告書において、理財局の関与などの事実関係が詳細に書かれており、関与した職員に対しては厳正な処理が行われたものという風に承知している」として再度調査は行わない考えを述べた。記者から安倍首相や麻生大臣の責任について問われると「麻生氏はたしか給与返上とかそうしたことをやられたのだろうと思っています」と言葉を濁した。

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