「このまま死ね」と言ったも同じ。国民「見殺し」の緊急事態宣言

 

今回の「緊急事態宣言」で、あたしが何よりも問題だと思ったのは、その対象区域です。安倍首相は「東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡」の7都府県を指定しましたが、これは一体、何を根拠に選定したのでしょうか?もちろん、この7都府県は多くの感染者が発生していますので、選定に異論はありません。しかし、福岡より遥かに多くの感染者が発生している愛知や北海道が、どうして除外されているのでしょうか?都道府県別の感染者数を見ると、1位が東京で、以下が、大阪、神奈川、千葉、愛知、北海道、兵庫、埼玉、福岡、京都、これがワースト10です。

また、本当の感染率を把握するのであれば、感染者の累積数ではなく「10万人当たりの感染者数」を比較しなくてはなりません。人口1,300万人の東京と人口100万人の県を感染者の累積数で比較すれば、東京が多くなるのは当たり前だからです。以下は、4月の頭の時点での「人口10万人当たりの感染者数」のワーストランキングです。

  • 福井:6.7人
  • 東京:6.5人
  • 京都:4.5人
  • 大阪:4.4人
  • 千葉:3.7人
  • 北海道:3.6人
  • 高知:3.6人
  • 兵庫:3.6人
  • 愛知:2.9人
  • 福岡:2.8人
  • 石川:2.8人
  • 大分:2.8人
  • 神奈川:2.6人
  • 岐阜:2.3人
  • 和歌山:2.3人
  • 全国平均:2.8人

「感染者数」ではなく「感染率」では、驚くことに福井がワースト1位なのです。厚労省が検査の総数を発表しないため、福井が他県よりも積極的に検査を実施しているのか、それとも実際に「感染率」が高いのか、それは分かりません。本来であれば、47都道府県すべてでランダムに1,000人ずつ検査をして、そのうち何人が陽性だったのかを比較しないと事実は分かりません。しかし、今はこれしかデータがないので、このデータで考えると、安倍首相が指定した7都府県は、埼玉の他はすべてランクインしています。そして、神奈川は全国平均よりも低いですが、埼玉や神奈川は東京に隣接しているという意味から、今回の指定は適切だったと思います。

しかし、指定された福岡より「感染者数」も「感染率」も上位の愛知や北海道が指定されていないことが、あたしには理解できないのです。そして、「感染率」だけで言えば、全国ワースト1位の福井や、指定された兵庫と並ぶ高知や、指定された福岡と並ぶ石川や大分、これらが指定されていない理由も分かりません。

特に、北海道、愛知、京都が指定されなかったことについては、あたしだけでなく多くの人が疑問に思ったようで、安倍首相の宣言前の各党への説明の場でも野党から質問が出ました。これに対して西村康稔経済再生担当相は「感染者数が倍になるスピードと感染経路不明者の数から総合的に判断した」「愛知は感染者数は多いが倍増するスピードがゆったりしている。感染経路が分からない人も比較的低かった」と説明し、京都、北海道についても「同様の判断をした」と述べました。

しかし、東京オリンピックの延期が決まるまで、東京を筆頭に多くの自治体が検査に消極的だったのです。その上、厚労省は未だに検査の総数を隠蔽し続けているのですから、感染者数も増加のスピードもいくらでも調整できるのです。分かりやすい例としては、小池百合子都知事が東京オリンピックの延期を発表した翌日から、東京の1日の感染者数が突然、4倍になったことです。これは単に1日の検査数を4倍にしただけで、急に感染が広がったわけではありません。

こうした感染者数や感染率について、隠蔽体質の安倍政権の発表にどれほどの信憑性があるかは分かりません。でも、先ほどのランキングだけを見て言えば、今、自分の住んでいる地域が今回の「緊急事態宣言」に指定されなかったとしても、それだけで安心するのは時期尚早じゃないか?…とあたしは思いました。特に全国平均より上だった地域の人たちは、指定された地域と同じように、不要不急の外出は控えるべきだと思いました。

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