もちろんそれは、護憲派が憲法改正に反対してきたからであり、また、日本人も平和ボケをしていたからです。人権派は人権至上主義を唱えながらも、中国のウイグル人弾圧は批判しない。1月から2月にかけてコロナ問題そっちのけで「桜を見る会」の追求ばかりしてきた立憲民主党や共産党も、いつもは政府による私権制限に大批判するマスコミも、「遅すぎる」などとむしろ批判するほどで、ご都合主義もいいところです。
一方の中国は、新型コロナ対策について、武漢の封鎖が解除されたことで自画自賛しています。日本には、中国に見習えといった媚中派もいます。一方で、ちっぽけな台湾はどれだけ的確な政策を取り、その正しさが数字に反映されたとしても、国際社会で高く評価されることは難しいのが実情です。
しかし、ソ連やドイツが解体して以後、ユーラシア大陸には小国が乱立しています。アジアにもシンガポールのような小さな都市国家が、世界でも有数の優良な先進国となっています。今や、ミニ国家あるいは都市国家のほうが治安もよく、経済も社会も安定している魅力ある国家となっています。
そもそも、新型コロナウイルスは、中国からの人流と物流を敬遠すればするほど巻き込まれずに済んだのです。台湾はまさにそれをいち早く実行しました。福沢諭吉の脱亜論にあるように、「アジアの悪友を謝絶せよ」です。
今や、これは脱亜論というよりは脱華論です。WHOは中国政府の言いなりで、徹底的に台湾を排除していますが、大国が世界を牛耳る時代はもう古いのかもしれません。スイスでの専門会議では、台湾がオブザーバーとして参加を認められました。世界が小国家や都市国家の実力を認めつつあるのです。
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