躊躇なく都市封鎖を。緊急事態宣言だけでは止まらないコロナ伝播

 

安倍首相は会見で「人と人との接触機会を最低7割、極力8割削減できれば2週間後に感染者の増加をピークアウトさせ、減少に転じさせることができればできる」と述べている。8割減らすとは屋内で会う人を10人から2人にすることを意味するという。ただ企業に出社したり、営業で外回りをしている人たちにとって8割減らすことは至難だろう。

また日本の弱点は初動が遅れたり、その後の調査が不十分で感染経路が半分もわかっていないことだ。感染経路がわからないと追跡が難しく感染の広がりを抑えることも困難になってしまう。都市封鎖をおこなっている海外では日本の緊急事態宣言の効果を疑問視する声が多いのもこうした事情があるとみられる。いまや伝染は国境を越えグローバル化しているだけに、日本も国内の抑え込みだけでなく世界にどう貢献できるかといった施策も考えるべきだろう。

※ 4月8日18時時点のジョンズ・ホプキンス大学発表の数値ではフランスの感染者数は11万70人でしたが9日13時30分現在では8万3,080人と変更されておりました。サイト上に理由は書かれておりませんが、引用先に掲載の情報をそのままお届けいたします旨ご了承ください。

Coronavirus COVID-19 Global Cases by the Center for Systems Science and Engineering (CSSE) at Johns Hopkins University (JHU)

image by: StreetVJ / Shutterstock.com

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ジャーナリスト。1942年生。慶応大学経済学部卒業後、毎日新聞社入社。大蔵省、日銀、財界、ワシントン特派員等を経て1987年からフリー。TBSテレビ「ブロードキャスター」「NEWS23」「朝ズバッ!」等のコメンテーター、BS-TBS「グローバル・ナビフロント」のキャスターを約15年務め、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」に27年間出演。現在は、TBSラジオ「嶌信彦 人生百景『志の人たち』」出演。近著にウズベキスタン抑留者のナボイ劇場建設秘話を描いたノンフィクション「伝説となった日本兵捕虜-ソ連四大劇場を建てた男たち-」を角川書店より発売。著書多数。NPO「日本ニュース時事能力検定協会」理事、NPO「日本ウズベキスタン協会」 会長。先進国サミットの取材は約30回に及ぶ。

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【著者】 嶌信彦 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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