売ろう売ろうとする情報発信が、売り手とお客様双方を疲弊させる

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新型コロナウイルス流行の影響で休業中であっても、情報発信を欠かさないショップは数多く見受けられますが、その内容には少々注意が必要なようです。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、この時期だからこそ発信すべく「お客様が本当に欲しがっている情報」についてのヒントを記しています。

売らないつもりの発信

状況が逼迫してきている中で、私の周囲の販売員の方の話を聞くと、ブログやSNSを含めた発信にかなり力を入れているそうです。というか、お客様の来店がほぼないので、とにかく発信して、オンラインでも何でもいいから少しでも売上につながるようにということらしいです。

うん、さすがです。この状況の中でも前を向く姿勢にとにかく頭が下がります。

さて、そんな中で、いろんな情報を見ると、こういう状況でも、「売ろう」という気が見える発信が多く見受けられます。とにかく商品のしっかりとした説明。とにかくお得に買えるという情報。そうした発信、皆さんもものすごく見かけませんか?

今、お客様が求めている情報は多分、そういうことではありません。周囲の方々も口々に言っていますが、現役販売員も今は、「いや、こんな時に服なんていらんやろ」みたいなことを言っていたりします。Twitterとか見てみると、そういう声がたくさん溢れていますよね。社会の流れ的にはやはりそういうことだと思うのです。

とはいえ、企業や店としては、売上を上げなければいけない。すごくよくわかるのですが、だからこそ、売ろう売ろうという気が先走りすぎると、どんどんお客様は離れていきます。そんな今だからこそ、あえて、売らないつもりで発信をするというのはいかがでしょうか。

真面目な話、売ろう売ろうと考えて発信を続けていると、発信者もかなりしんどくなってきます。売り言葉を考えるのって、結構大変で、それで効果が出るならまだしも、そうでない場合は、どんどんきつくなってくるわけです。加えて、こんな時ですから、各社がセールだなんだの情報ばかりで、似たような情報が溢れていて、見る側も疲れてきているというのが現状です。

だったら、いったん「売る」ということから少し離れてみて、普段発信できていないことを発信するというのはどうでしょうか。今までに買ってもらった商品のメンテナンスの方法でも良いかもしれません。お客様も今しかできないような、物の片付け方やメンテナンスの仕方を発信することで、お客様にとっては、とても役に立つ情報となるでしょう。

決して、売上に直結するような情報ではありませんが、お客様はそういう情報をきちんとくれる人や店から、モノを買いたいと思うものです。

あえて、モノを売らないつもりで発信してみる。そんな感覚を持つだけでも、内容はきっと変わってきますよ。

今日の質問です。

  • 売るつもりで発信する内容を考えるとしたら、どんな発信になりますか?
  • 売らないつもりで発信する内容を考えるとしたら、どんな発信になりますか?
  • その2つの発信の違いはどんなところにありますか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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