自力リフォームもいい。私の知人の一人は玄関の一部を拡張して趣味である自転車や子供のスポーツ用品を収納する物置を作り始めた。この男が言うには自分の引いた図面は我ながら実に不親切なのだそうである。タイルにしろその他の材料にしろ、カットしなければ図面通りに収まらない。これが恐ろしく面倒なのだそうだ。現場の職人の気持ちがよく分かったと大いに反省していた。因みにこの男は一級建築士である。
ガチの大人勉強というのもいい。語学でもいい。自分の職業に関わるような何かでも構わない。受験生のように勉強三昧の生活をするのである。もし環境が許すなら楽器などもおすすめだ。仮に防音環境が整っていなくてもpluggedの楽器ならヘッドフォンで練習できる。
このようなことは今しかできない。今なら呆れられないこと、愛想をつかされないこと、変人扱いされないこと、探せば結構ある。
この「social distancing」中、一番大事なのは心(=精神)を健全に保つことである。「今しかできない何か」に打ち込むことは、今この時を掛け替えのない時間に変えることになりはしないか。後になって「よくもあんな(ばかばかしい)ことができたものだ」と自身感心できたなら(恥ずかしくなっても)上等ではないか。
斯く言う私は目下、家中の金属部品を東側から徹底的に磨いている。既に終わった洗面台などは夜気持ち悪いほどにピッカピカである。割といい気分である。見たか!ざまあみろと言いたくなるようないい気分である。
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