四面楚歌のWHO。習近平への「謝罪要求」が世界中にあふれる日

 

だが、トランプ氏のいわゆる「ディール」は侮れない。中国に力づくで協力させる切り札こそが、コロナウイルス起源にまつわる疑惑であり、疑惑の調査に消極的なWHOへの揺さぶりであろう。

トランプ大統領は4月14日、WHOへの資金拠出を停止するよう指示した。WHOが新型コロナウイルス対策に「基本的な義務を果たさなかった」というのがその理由だ。米国は昨年、WHOの年間予算の15%弱に当たる4億ドルを拠出した。むろん、WHO最大のスポンサーだ。

一方、中国政府はWHOに新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための資金として、新たに3,000万ドルを寄付すると発表した。それまでに表明していた2,000万ドルの寄付と合わせて、5,000万ドルになる。謀略好きの悪党が、直情径行の悪党を利用し、“いい人”ぶる図式だ。

WHOが米中両国のはざまで、コロナ起源疑惑にどう対処するのか。形ばかりの調査で済ますわけにはゆくまい。武漢のウイルス研究所から新型コロナが流出した確たる証拠なるものを米国が公開したら、“コロナ戦線”における中国の優位は崩れ、習近平氏への謝罪要求の声が世界中にあふれるかもしれない。

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