時事通信によると、ソフトバンクグループは18日、中国電子商取引大手の阿里巴巴(アリババ)集団創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が社外取締役を6月25日付で退任すると発表した。馬氏はアリババの会長職も2019年9月に退任しており、経営の一線から本格的に退くことになる。
ソフトバンクグループは、6月25日付で中国電子商取引大手の阿里巴巴(アリババ)集団創業者、馬雲(ジャック・マー)氏が社外取締役を退任すると発表しました。https://t.co/HamWU7C8dl
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) May 18, 2020
1兆円を越える巨額の赤字
マー氏は2007年6月から10年以上にわたって、ソフトバンクグループの取締役を務めており、孫正義会長兼社長とは盟友として知られている。ブルームバーグのデータによれば、ソフトバンクグループはアリババ株を25%保有している。今後は慈善事業などに専念するとみられるという。
ソフトバンクグループは18日、グループ全体の2020年3月期の決算を発表。営業損益は2兆円を超える黒字だった前の年から一転し、1兆3646億円の巨額の赤字となり、また、最終的な損益も1兆4000億円余りの黒字から、一転して9615億円の赤字になったとNHKが伝えている。10兆円規模で運用している「ビジョン・ファンド」の損失が膨らんだことが原因とみられている。
ソフトバンクグループの人事をめぐっては、01年6月から社外取締役を務めていたファーストリテイリングの柳井正氏も昨年末に退任していて、孫正義会長兼社長を支えてきたカリスマ経営者がまたひとり去ることになった。
また、同社はベンチャーキャピタル経営者のリップブー・タン氏と早稲田大学大学院経営管理研究科(ビジネススクール)教授の川本裕子氏が社外取締役に就任する人事案も発表。6月25日開催予定の株主総会で正式に決定するとしている。