過密日程で佐々木、奥川のデビューも期待
2020年シーズンは120試合制となり、昨年より23試合減少することになる。開幕が3カ月も遅れたのに、23試合しか減らないということは、それだけ過密な日程になることを意味している。交流戦はなくなり、オールスターゲームもない。CSはパ・リーグのみ開催する方向になっているという。ドーム球場が増えたとはいえ、シーズン終盤になればダブルヘッダーを組まないと試合消化は難しくなるだろう。
また、過密日程によって選手の疲労が溜まるのは明らかで、休養を取らせることも必要となってくる。バックアップ要員やベンチワークが重要となり、変則シーズンだからこそ、監督の采配はより重要となりそうだ。
一方、連戦によって、レギュラークラスではない選手のチャンスは増えるはず。先発投手の数は6枚は必要となるだろうし、中継ぎはフル活用されるだろう。そうなれば、通常のシーズンなら、なかなかマウンドに上がれない投手にもチャンスがあり、思わぬヒーローが誕生する楽しみがある。もしかしたら、投手陣に疲れが出てくる夏場に、注目の高卒新人ロッテの佐々木やヤクルトの奥川のデビューがあるかもしれない。
移動によるコロナ感染をどう防ぐか
過密日程に加えて、今シーズン大事になってくるのが、新型コロナウイルスの感染防止。選手がコロナに感染してしまったら、試合に出場することはできなくなり、これがもし4番やエースなど主力級クラスだと大変なことになる。しかし、新幹線や飛行機など移動手段として公共交通機関を使う以上、感染リスクは避けられない。だからこそ、チームとして、球団としての体調管理、危機管理が大きなカギとなりそうだ。
日本ハムが北海道、ソフトバンクが福岡と、長距離の移動を余儀なくされるパ・リーグは、感染リスクを減らすため、開幕カード後は同一カード6連戦とする措置を発表した。
実はこれが選手や首脳陣からするとかなりつらい。勝ちが続いている場合は勢いがついて良いが、負け続けていると抜け出せなくなる可能性がある。ベンチの空気や雰囲気を変えるのはなかなか難しい。そのため、連敗ストッパーとなる「勝てる絶対的エース」や、チームを鼓舞する強いキャプテンシーを持った選手が必要となりそうだ。
また、遠征先でのストレスも溜まる一方かもしれない。ほとんどの球団が遠征先での外出を禁止することになるといい、選手たちはホテルに缶詰めとなりそうだ。もしかしたら、写真週刊誌が外出禁止を破る選手を狙うということもあるかもしれない。遠征先での外出は選手にとって大きなストレス発散となるため、モチベーションコントロールをいかに保てるかが重要となりそうだ。
2020年のプロ野球を楽しもう
誰も経験したことのないシーズンがいよいよ19日から始まる。当面は無観客での試合ということになっているが、ひょっとすると1シーズンずっと観客がいない球場で試合をすることになるかもしれない。その可能性は十分にあるだろう。
日本シリーズの開幕は11月21日。そこまでどのような試合が行われていくのか。悲観することなく、2020年しか見ることができないプロ野球として、今年の開幕を楽しみに迎えたい。
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