「ギブアンドテイク」は「テイク」でなく「ギブ」が先にくるワケ

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今も昔も時代を問わずビジネスマンに求められ続ける、情報収集能力の高さ。しかしながら闇雲に「情報ください」と言って回ったところで、重要な情報など得ることはできないのは言わずもがなです。何か「コツ」のようなものはあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、「カギはギブアンドテイク」として情報収集の方法をレクチャーしています。

ギブアンドテイクとは

競合他社の情報を知ることは、どんな世界でも大事だとされています。どんな仕事をしているのか、売上はどのように取れているのかを知り、そこから自社や自店に活かせるようことを見つける。

他社との差別化をしていくためにも、他がどんなことをしていて、どんな商品を売っているのかがわからなければどうしようもありませんよね。だからみんな、必死に他社や他者の情報を得ようとします。

しかし、こうした他者の情報をなかなか得られない人もいます。どんな接客法なのかを知りたいとか、お店でどんなことをやっているかを知りたいのに、うまく教えてもらえない人です。一方で、そういう情報を引き出すのが上手な人もいます。その違いは何かと言えば、自分から情報を出しているかどうかに尽きるのではないでしょうか。

例えば、店長職などであれば、同じ商業施設や近隣のお店の売上情報を知るために、他の店の店長のところへ足を運ぶことがあります。その時に、「先月の売り上げどうでした?」とだけいきなり聞きに行っても、そう簡単に教えてくれることはありません。なぜなら、相手にとっての得が無いからです。

相手からすれば、自分だけ情報を出しても得られるものがなければ、わざわざ進んで情報を出す必要がありません。それがわかっていない人ほど、突然相手の仕事の邪魔をして、「情報くださいよ」と言ってしまうのです。

こういう場合は、例えば店長ならば、自店の情報を先に持っていきます。

「うちの先月の情報です。こんな感じの売り上げ推移でした」
「最近うちでは、こんな接客のやり方にトライしているんですよ」

自分たちが他社の情報を知りたいのと同じく、相手にとっても自社の情報は知りたいものです。だからこそ、まずは自分から情報を開示することで、相手も「それなら」と情報を提供してくれるようになります。

これは、販売員個人の接客や仕事の仕方についても同じようなことが言えます。よく研修の中でも、「こういう時はどうしたらいいですか?」という質問を受けます。私は研修講師なので、もちろん喜んでお答えできることはお答えしますが、もし聞く相手が競合他社の販売員であったり、自社で売り上げを争っているような相手であれば、どうでしょうか。進んで教えてくれる人というのは、そうそう多くはないでしょう。場合によっては、聞いてこられるばかりの面倒な相手だと認識されてしまう恐れすらあります。

だとすれば、これも先ほどと同じで、自分からまず情報提供をすれば良いのです。

「私は今こんなことに取り組んでいます」
「こんな人のこういう面白いやり方があるんですけど、知ってます?」

など、相手にとっても知りたい、価値のあると感じられる情報を提供できれば、相手もそれを無下にすることもしにくくなります。

よく言われる話ですが、「ギブアンドテイク」という言葉は、常に「Give」が先にきます。「テイクアンドギブ」ということはなく、常に与えるのが先なのです。それができてようやく、テイクがあります。

他社や他者から、良い情報を引き出して、自らの成長につなげたいと思うなら、まずは相手に情報を提供することから初めてみましょう。すると途端に入ってくる情報の質が変わってくるはずです。

今日の質問です。

  • あなたが今知りたいと思っている、他社や他者の情報はなんですか?
  • その情報を教えてもらうためには、まず自分からどんな情報を提供しますか?

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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