『女帝』の著者、石井妙子氏は小池都知事のコロナ対応をめぐって、以下のように書いている。
彼女はオリンピックにこだわり、自分が再選を果たせるかだけを気にし、新型コロナウイルスを軽視した。東京都が備蓄する防護服約30万着を、自民党の二階幹事長の指示のもと、中国に寄付した。しかも、決裁の手順を無視し、記録を正確に残さぬ形で。
今年2月4日に小池氏が自民党本部で二階幹事長と会談したさいに持ち上がった中国救援の話。二人とも、まだ日本での感染拡大に危機感を抱いていなかったのだろう。小池知事は二階氏の要請に応じる代わりに、都知事選における自民党の支援の約束をとりつけたといわれる。
『文藝春秋』2020年7月号によると、この情報は3月の都議会で自民党が都知事に質問するまで、まったく表に出ることがなかった。中国に恩を売りたい二階氏と、都知事選で自民党の支援を得たい小池氏の思惑が一致した結果、その後日本の医療機関が危機的な欠乏状態に陥った防護服を、議会にも報告せず、大量に中国に渡してしまったということになる。
その人が、もたつく安倍政権の尻を叩いてコロナと闘う都知事をさっそうと演じてきたのだ。やっぱり、なにかがおかしい。
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