なぜ大事な仕事や勉強をする時に、「我慢」をしてはいけないのか

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すべきことやりたいことが多すぎて、時間がいくらあっても足りないと感じている方、多いのではないでしょうか。これまでもたびたび「時間活用術」を紹介してくださった弁護士の谷原誠さんですが、今回の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で着目したのは、ウィルパワー。米国人心理学者が提唱したこの言葉をキーワードに、改めて時間管理について深く考察しています。

ウィルパワーも時間管理

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

最近のメルマガでは、時間管理に関する内容を頻繁に書いています。それは、現在、時間管理に関する本を執筆しているためです。時間管理はとても難しいですね。あなたも、「もっと時間があったらいいのに」「忙しくて死にそうだ」などと感じていることでしょう。

では、時間を有効に活用するためには、どのような方法があるでしょうか。スマホのアプリなど、ツールを活用している人も多いと思います。でも、私が書いているのは、ツールなど技術的なことではありません。自分の時間を大幅に増やすための考え方についてです。

たとえば、私の考えでは、「ウィルパワー」も時間の有効活用のために効果的に使うものです。「ウィルパワー」とは、人間の意志力のようなものです。「ウィルパワー」という言葉は、アメリカの心理学者、ロイ・バウマイスターが提唱しました。彼は、ウィルパワーの源泉は一つだけで、1日に使えるウィルパワーの量には限りがあるという考え方をとっています。

意志力が枯渇すると、集中力がなくなり、判断力がなくなりますので、仕事に支障を来します。したがって、大事な仕事、集中力を要する仕事にウィルパワーを大量に投下するために、それ以外の部分では、ウィルパワーを温存することが大切になってきます。

また、枯渇したウィルパワーは、睡眠によって回復するので、いかにウィルパワーを満タンにした状態で起床するか、も重要になってきます。

ロイ・バウマイスターの実験で、こんな実験があります。食事を抜いて空腹を感じている被験者を焼きたてのクッキー、チョコレート、ラディッシュ(二十日大根)が乗ったテーブルの前に座らせました。

2つのグループに分け、1つめのグループはおいしいクッキーとチョコレートを食べていいと言われ、2つめのグループはお菓子を我慢して、ラディッシュだけ食べていいと言われます。その後、被験者達は、別の部屋で、解けないように作られた図形パズルを解くように言われます。

さて、それぞれのグループは、図形パズルを「継続して、何分間解き続けることができるか」という実験です。

  • 第一グループ
    お菓子を食べてよいと言われたグループは約20分パズルを続けられました
  • 第二グループ
    単にお腹がすいていて、何も食べなかったグループも同じでした
  • 第三グループ
    しかし、お菓子を我慢してラディッシュのみを食べたグループは、8分しか続けられませんでした

つまり、我慢をすると、ウィルパワーが減る、ということです。したがって、仕事や勉強をする環境には、スマホやマンガ、ゲームなどを目に入る位置においてはいけない、ということになります。目に入った瞬間我慢をすることになり、ウィルパワーが減少するからです。喫茶店などに行って勉強すると意外に集中できるのは、この作用です。

私の考える時間管理とは、「自分にとって優先順位が高いことに対して最高の集中力をもって時間を投下し、その他のことは犠牲にし、諦める」ということです。その考え方のもとに今、頑張って執筆しています。完成したら、お知らせします。

その前に、次の本もよろしくお願いします。ぜひ、読んでみてください。

● 『7タイプ別交渉術』谷原誠 著/秀和システム

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今日は、ここまで。

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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