それにつけても、この政権、毎度のことながら、政策決定のプロセスが見えないのが気になるところだ。
コロナ対策の分科会にしても、メンバーの数が多すぎて、談論風発とはなりようがなく、話の流れは事務局たる内閣官房の筋書き通り。となると、結局は、例のごとく安倍官邸の懲りない面々の思いつきが通ってしまう。
そういえば、新型コロナ対策分科会の尾身会長ですら7月26日のNHK日曜討論で「Go Toトラベル」キャンペーンについて、こう語っていた。
「我々はもう少し今回は感染状況をしっかり分析してしっかり議論をしたうえで決めたらいいんじゃないかと提案をしてたんですけど、採用されなかった。ただ、東京を外すことには分科会として賛成しました」
メンバーの一人、東京財団の小林慶一郎研究主幹は経済専門家としての視点から、かねてよりPCR検査の大幅拡充を主張していたが、それを分科会で発言しても、議論はまったく深まらなかったという。
分科会は、「Go Toトラベル」ありきで進められ、専門家、有識者たちはお飾りや権威づけに体良く使われた。
官邸のなかの見えない司令塔に左右され、いつまで、われわれ国民はさまよっていなければならないのか。
image by: 首相官邸









