コロナ拡大も重なり深刻。マンションの管理人不足は解消するのか

 

では、どうしたらいいのか…です。

私は、行政が関与して、地域の中で、きちんとしたプロブラムの元で管理員候補を育て、保険等もきちんとした上で、必要に応じてマンションに派遣する…という仕組みができないかと考えています。例えば、シルバー人材センターの中に、そういった仕組みを取り入れられないかと思うのです。

自分の地域の中で、役立ちながら、それなりの収入を確保したいという高齢者のニーズにこたえることにもなります。地域の中で、管理員候補を育てることは、人を確保できないマンションを直接助けるだけでなく、マンションの適正管理にも、住民福祉の向上にも寄与できると思うのです。

候補の方々には、自治体のマンション管理の施策や高齢者対応等の福祉施策も学んでもらい(もともと、自分も住民なので、施策に詳しいでしょうし、地域での人のつながりもあります)、マンション住民と自治体をつなぐ役割を担ってもらうことも期待できます。

高齢者の活躍の場、就労支援と、マンション管理の適正化支援と、住民福祉の向上、各部局の融合施策として、検討できないかと思うのです。管理員という名称でなく、「マンションサポーター」というような、名称でもいいと思います。管理員としての訓練を受け、登録をしている人を自分が居住しているマンションも含め、近隣のマンションに必要に応じて派遣するのです。

管理組合としては、自分のマンション、自分が暮らす地域での仕事ですから、丁寧に対応してもらえることが期待できます。派遣される方としては、通勤時間もかからず、ジムに行くのと同じ感覚で、週何日か仕事ができ、それなりの収入もあれば、ご本人の健康のためにもなると思います。

管理組合や個人に、教育とか、契約だとか、保険とかの話はハードルが高いので、その部分を第三者機関が受け持つことで、仕組みとして回していけるのではないでしょうか。手をあげる人も、管理会社と契約するよりは、自分の暮らす自治体の組織の方が参加しやすいと思います。

コロナ禍の中でも、同じ地域、徒歩や自転車で動ける範囲に、管理員さんがいてくれれば安心です。業務を2人、3人でシェアすることも可能です。

1つのマンションの中で解決しようと思うと、たいへんですが、自治体単位まで広げると新たな時代のマンション管理の在り方としての可能性が見えてくるように思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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