大坂なおみに嫉妬し「日清の不買運動」を煽る人々の心の病と共通点

2020.09.14
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by 編集部サトシュウ
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テニスの四大大会の1つ、全米オープンの女子シングルス決勝で大坂なおみ選手が2年ぶり2回目の優勝を果たした。大坂選手は人種差別への抗議の意を示すため、被害を受けた黒人の名前をプリントした7種の黒マスクを着用したことでも話題となった。

ところが、激戦を制した大坂選手に世界中から賞賛の声が上がっている一方で、日本では批判的な意見も聞こえてくる。中にはスポンサー企業である日清に対して不買運動を行う動きもあるという。いったい大坂選手や日清の何が気に入らないというのだろうか?

無理筋の「大坂なおみ批判」がネット上で広がる

大坂選手を批判するツイートを要約すると、おおむね以下のような内容に大別される。

  • 「スポーツに政治を持ち込むのはスポーツマン失格だよ」
  • 「対戦相手に『テニスに集中させて』と言わせで何が称賛されるのか」
  • 「人種差別とテロや犯罪行為を履き違えてますね」
  • 「BLM(Black Lives Matter)は過剰だと思う」
  • 「このままでは日清食品の不買が始まってしまう」
  • 「非常食用のカレーヌードルがペヤングになるだけだな」
  • 「日本国籍選んだのなら日本人らしく振舞ってくれ」
  • 「政治的主張をしたから、今回の優勝はあまり喜べない」

まず、SNSで多く見られるのは「政治をスポーツの世界に持ち込むな」という意見。しかし、人種差別は政治問題ではなく人権問題だ。大坂選手自身が「私はアスリートである前に黒人女性です」と発言したように、人種差別はプロスポーツ選手である以前に、人間の在り方そのものにかかわる問題ではないだろうか?

また、2016年から大坂選手のスポンサーを務めている日清に対する批判的な意見も散見される。日清は「大阪」本社内の案内板を「大坂」営業部に変更するという粋なはからいで、2年ぶり2回目の偉業を祝福しているが、これに対して、「スポンサーをやめた方が良い」「もう日清の商品は買わない」など、不買運動を煽るようなツイートが上がっているのだ。

世間における日清のツイートに対する反応はおおむね好評であり、「彼ら」が特定の一企業を批判するのは不思議な現象と言える。そもそも、大坂選手がスポンサー契約をしているのは日清だけではない。NIKE、資生堂、シチズン、Mastercardなど有名企業が名を連ねているにもかかわらず、なぜ日清だけを攻撃するのだろうか?

大坂なおみ選手や日清に対する単なる言いがかりにしか思えないが、ツイッターを調べているうちに、「彼ら」に関するある“共通点”が浮かび上がってきた。

“アンチ大坂なおみ”の不思議な特徴

ツイッターのタイムラインを眺めていると、政治的に保守的な思想信条を持つ人たちに“アンチ大坂なおみ”が多くいることが分かる。とはいえ、保守派の人がすべてアンチ大坂というわけでは決してない。特徴的なのは、ツイッターのアイコンとして日の丸を掲げているユーザーや、プロフィール上で自分は「ごく普通の日本人」であることをことさらに強調しているユーザーの比率が飛び抜けて多いことだ。ツイート履歴を見てみると、韓国人や中国人に対する差別的な発言も目立つ。

だが、少し考えてみればわかることだが、ごく平均的な日本人が、自己紹介において「ごく普通の日本人」であることを、ことさらに強調するのは不思議なことだ。にもかかわらず、“アンチ大坂なおみ”を煽るユーザーは、まるで何かのテンプレートのように、このようなプロフィールをこぞって得意げに掲げている。

ハイチ系アメリカ人と日本人の両親を持ち、4歳の頃にアメリカに移住した大坂なおみ選手。2019年に22歳の誕生日を迎えるに当たり、日本国籍を選択した。大坂選手を非難する人たちは、前出のツイッターで紹介した通り、「日本人なら日本人らしく」「もっと日本人らしい思考を持って」ということのようだ。

しかし日本国籍を持っている人は、肌の色が何色であっても日本人ではないのだろうか。人種差別に対して声を上げることが日本人らしくない、というロジックも完全に破綻している。自称「ごく普通の日本人」を名乗るユーザーたちが、大坂なおみ選手を批判の対象とするのは滑稽にすら思えてくる。

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