沖縄タイムス社(那覇市)の40代男性社員が、新型コロナウイルスに関する持続化給付金などを虚偽申請し、計180万円を不正受給していたことが明らかになりました。同社社長が謝罪しましたが、このような不正受給をしているケースは少なくないといいます。今回の無料メルマガ『採用から退社まで! 正しい労務管理で、運命の出会いを引き寄せろ』では、著者で社会保険労務士の飯田弘和さんが、この不正受給問題を取り上げ、今後多くの事例が出てくるのではと懸念しています。
早晩バレる「不正受給」をめぐる怪しい相談例
最近気になるニュースとして、持続化給付金の不正受給があります。今後は、持続化給付金だけでなく、雇用調整助成金や新型コロナウィルス感染対応休業支援金・給付金についても、不正受給の問題が生じるでしょう。東京都の感染拡大防止協力金なども同様です。
わたしの元にも、かなり怪しい内容の相談がいくつもありました。わたしは、今までお付き合いのない方からの助成金等のご相談については、一切、受けないようにしています。
わたしが受けた怪しい相談例をいくつか挙げてみます。
事業の実態がないと思われるような個人事業主を称する者からの持続化給付金申請の相談。
従業員(雇用契約)ではなく、業務委託契約者や奥さん等の同居の親族を対象とした雇用調整助成金申請。
在宅勤務を命じておきながら、休業手当給付と偽って、雇用調整助成金申請を行うものなど…。
都の休業要請に応じずに事業活動を行っていたにも関わらずの協力金申請もありました。
不正受給者には、助成金等の返還はもちろん、別途金額を、ペナルティとして請求されます。もちろん、詐欺罪等で告発される可能性もあります。
今後、支給申請についての詳しい調査が行われていくでしょう。従業員からの公益通報も多発するでしょう。すでに、従業員からの不正に関する情報が寄せられているようです。
支給時は、緊急対応ということもあり、形式的な要件が整っていれば支給していましたが、今後は、既に支給された給付について、申請内容を詳しく調査していくでしょう。不正受給が相当数見つかるのではないかと思います。逮捕者も多く出てくるのではないでしょうか。
不正受給に携わった者は、今後数年間にわたって、その発覚を恐れ続けることになるでしょう。もちろん、不正受給に協力した社労士も、受給者本人同様に罰せられます。雇用調整助成金の不正受給については、事業主名と社労士名が公表されますので、以後の活動に相当な影響が生じるでしょうね。
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