ワクチンの治験参加への恐怖はなかった
トランプ大統領が、戦争に参加したい軍人の気持ちが分からない、敵に捕まった軍人は寄生虫だと発言したというのが、今週前半でアメリカでは大きく取り上げられていました。この時に、ワクチンへの治験へ参加するのに恐怖心はなかったのかと、複数の方々から尋ねられた時に、私が思ったことと、過去に戦争に行こうと思った人々との思いが似ているのではないかと、思いました。
日本で義務教育を受けていると、戦争に行くこと、人を殺しに行くことには、抵抗しようとほとんどの人々が思うのだと思います。モハメド・アリが兵役を拒否して、ボクシングをしばらくできなかった時に、モハメド・アリを尊敬しました。でも、戦前の教育を受けていたり、アメリカで幼少期の教育を受けていたらどうでしょうか?きっと、ナチスドイツのような「悪い国」とは戦わないといけないと思うのだと思います(現在私は、サイバー攻撃で、悪い国のインタネット網などをハッキングするのが、人もなくならず、相手の闘争心も無くすので、一番よいのではないかと思ってます)。
今回のCOVID19のワクチンの治験に参加を決めた私の思考過程は、以下の通りです。
まず、2017年4月にスキー事故で、首から下が麻痺をしてしまい、スキー事故前の70%の身体能力まで戻すことを、私の人生の目標としましょうと医者に言われました。この時に、生きていること自体がありがたいと思いました。そして、70%ほどの身体能力を超えるだけの回復をしたため、今の人生は、「半分おまけ」なのだと思っています。事故当初、回復が早かったので、手術はしませんでしたが、イギリスに戻ってから、イギリスの医者から言われたのが、「追突事故でも起こったら、次は回復できない可能性が大きい」ということです。
CTスキャンとMRIの画像を観ると、確かに脊椎の周りに隙間があり液体が動くべきところに隙間が3段階に渡ってなくなっているように見えるのです。この時、予防のための手術という概念を初めて知りました。イギリスで毎年何件手術をしているのか。何年間行われている手術なのか。今まで何人が死んだのか。
手術後の感染症や、手術で血栓ができ、脳血栓になる確率などなど、これらを専門家から聞き取り、成功する確率が高いことを確認し、しかも、今まで手術を成功させている医者を一人余分に自費ではらい、執刀医2人で5時間の手術を受け、成功した。
今回は、ワクチンである。チンパンジーでの実験では、どのチンパンジーも死ななかった。第一フェーズの500人の内、病気になった人は一人。しかも、ワクチンとの因果関係はなかった。
逆に私が提供できることは、大きい。イギリスでの治験が世界で最初のため、97%の母集団は白人のバックグラウンドである。マイノリティのカテゴリーの中に日本人というカテゴリーがないぐらい、我々はマイノリティである。私の3番目の娘と私が唯一、Asian Backgroundの中で、Other backgroundという、マイナーな中でもマイナーなカテゴリーなのではないかと思うぐらい、治験の場所に行っても、マイノリティの参加者がいない。娘も私もいままで受けたワクチンでアレルギー反応がでたこともない。しかも、服用している薬が全くない56歳以上の男性というのは、なかなかいない。「半分おまけ」なのであり、死ぬ確率が少ないのであれば、ここは見えない敵と人類との戦いに役に立った方が、自分の家族や友人のためにも良いと思えたのである。
ということで、今回の治験への参加への恐怖はありませんでした。これが、ちゃんとしたプロセスを経てない、他の国の治験であれば、参加しなかったと思うんだが……。
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