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菅内閣の目玉は「ワニ男」?デジタル担当相・平井卓也氏の問題発言と不適切行動

自民党の菅義偉総裁が第99代首相に選出され、いよいよスタートする菅内閣。安倍前首相の路線を継承していくとみられる中、目玉となりそうなのが、菅新首相の肝いりであるデジタル庁創設。コロナ禍で露呈したデジタル化の遅れを是正し、国としてデジタル化を推進していくいう。しかし、その一方で、表現の規制も強化されてしまうのではないかとの心配の声も挙がっている。

デジタル担当相に就任した平井卓也氏とは

IT化へ向けた舵取りを任せられたのは、デジタル担当相に就任した平井卓也前IT担当相。平井氏は香川1区選出で当選7回を誇るベテラン議員。上智大学を卒業後に電通に入社した後、西日本放送代表取締役社長を務めた。2000年6月の衆議院選挙に無所属で出馬して初当選。その後すぐに自民党へ入党している。

自民党内きってのIT通として知られ、IT戦略特命委員長に就任しペーパーレス化を推進。2018年には第4次安倍改造内閣でIT担当相に就任した。

そんな平井氏が携わった仕事で最も知られているのが、自民党のアピールのために、スマホ用ゲーム『あべぴょん』を制作したことだろう。

代表作は『あべぴょん』と『LINEスタンプ』

これは安倍前首相を模した“あべぴょん”というキャラクターを操り、ひたすら上へ上へと目指すゲーム。安倍さんに気を使ったのか、キャラクターはだいぶ若く、男前にデフォルメされている。自民党がアプリ製作のためにかけた費用は推定1000万円。その割にはという気もするが、約30万ダウンロードを達成している、平井氏の代表作だ。

自民党きってのIT通が生み出したものは他にもある。2017年にはこちらも安倍前首相をキャラクター化したLINEスタンプを制作。「異議なし」「お疲れさま」「おやすみなさい」などの会話に対応した8種類のスタンプ(現在は配布期間終了)。こちらは若い頃の田村正和のようなイラストになっている。さすがは元電通、安倍さんへのヨイショは忘れない。

過去にはパソコンを使ったことがないという議員がサイバー担当の大臣になったりしていたが、平井氏がデジタル担当大臣に就任したことで適材適所といえそうだ。IT業界からは『ヒラタクさん』と呼ばれ、業界内でも信頼されているという。

「ばばあ」と「ワニ」のイメージの人

一方、平井氏は強気な性格としても知られ、鼻っ柱が強いとささやく人もいる。それが災いしてか、過去にはさまざまなトラブルも話題となった。

平井氏トラブル事件簿①「黙れ、ばばあ!」発言

2013年6月に行われたニコニコ生放送の党首討論でのこと。各政党の党首が参加していたイベントで、社民党の福島瑞穂党首が発言した際に、平井氏は「黙れ、ばばあ!」とコメントに書き込んだという。さらに、日本維新の会の橋下徹共同代表(当時)の欠席が伝えられると、「橋下、逃亡か?」という書き込みも…。

匿名でコメントを寄せるというスタイルのため、平井氏も深く考えずに送信したのかもしれない。しかし、悪いことはすぐにバレるもので、その後にこのコメントが平井氏だと判明。指摘された平井氏は、「申し訳なかったが、やじみたいなものだ」と釈明した。

平井氏トラブル事件簿②「ワニ動画」閲覧

また、記憶に新しいところでは、ことし5月に行われた衆院内閣委員会の審議中に、自身のタブレット端末で「ワニ動画」を鑑賞していたと報じられた。こちらがその動画とみられる画像。


image by : YouTubeより

ご覧の通り、ワニである。パッと見ると、ワニが獲物をくわえたグロテスクな動画かと思いきや、これはアメリカのゴルフ場に現れた巨大なワニが、大きな石のようなものを口にくわえて歩いているという映像。

なぜこのような動画をわざわざ審議中に見ていたのだろうか?平井氏のプロフィールに「ワニ好き」という文言は特にない。平井氏は約5分ほどこの動画を見ていたといい、記者の追及に対して「偶然出た」と釈明している。

ワニ動画閲覧の127日後にデジタル担当相に就任した平井卓也氏。あと1ヶ月弱早ければバッチリ100日後だっただけに残念だ。

一般人だったらアウトな言動と振る舞い

平井氏のこの行動を我々一般の国民が同じことをしたらどうなるのだろうか?

例えば、先に挙げたニコニコ生放送における福島瑞穂党首に対する暴言は、昨今問題視されているネットの誹謗中傷にあたるのではないか?名誉毀損や信用毀損などにあたる可能性がある。

明らかなセクハラ発言でもあり、女性差別とも言えるだろう。

また、ワニ動画を閲覧していたのは、衆院内閣委員会の審議中。当然ながら職務中の行動である。ということは、職務放棄や職務違反と指摘されてもおかしくはない。

デジタル庁の創設で、本腰を入れて国のIT化を進めていこうとする菅内閣。国民の生活を便利にしたり、豊かにしたりするためにIT技術を駆使しようという試みは賛成だ。

しかし、ネット特有の自由度や表現の自由にまで規制を強化するようことは避けるべき。デジタル化を進める上で、過剰な政府の介入があってはならない。

菅内閣の目玉として創設されるデジタル庁。大臣という立場で旗振りをしていく中、表現の規制強化をする前に、平井大臣はまずご自身の発言や行動から規制した方が良さそうだ。

Twitterの反応

image by : 平井卓也公式Twitter

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