山口達也を破滅させた“本当の容疑者”フジテレビと警察の欺瞞を暴く

 

「警察が働かない国」日本の不幸

警察が働かない国ならではの、不幸は実はいろいろな形で起こっている。

レイプだって3割しか起訴されないし、殺人は1,000件も起訴されていないが、死因不明死体が事件性があるものを含めて1万4,000も出ているのに、ろくに調べていないから、この数字があてになると思えない。たとえば、毒殺事件は4人くらい殺した人間しか捕まっていない、殺人事件の8割から9割が顔見知りということになっているが、これだって捕まえやすい人しか調べていない結果かもしれない。

もちろんストーカーなどの被害にあってもたいがいは人手不足を理由に門前払いか、ろくに捜査をしてくれない。

ところが、今の交通安全週間を見ればわかるが、交通事犯を捕まえるためにはなんでこんなにたくさんという警察官が投入される。

要するに警察は、捜査機関としては最低限の人員しか使わないで、やっているふりをするが、金もうけのための交通違反の取り締まりをするための機関になりさがっている。

「やってる感」が日本を破滅に追い込む

これが今回のコロナ禍に大きな影を落としている。

国の家賃支援給付では予算総額に対して、実際の給付額はわずか6%だという。書類の添付が面倒な上に、ソフトがあまりにわかりにくい。

私などはもう4回も添付資料に不備があると言われて送り直しているのだが、そのたびに不備を指摘される。その上、送り直しの際に以前書いたはずのデータが消されているので膨大な時間がかかる。

金をけちって電通のようなところ(今回のソフトの委託業者はどこかしらないが、役人か政治家が決めたのだろう)だからこんなソフトしか使えないのだろうし、審査のスタッフをけちるからこんなことになるのだろう。

その間に倒産が相次ぎ、8月くらいから自殺が増え始めている。8月は去年の8月と比べて15%程度自殺が増えているのだ。

セロトニンが自粛で減ってからうつ病を発症するまで2、3カ月のタイムラグがあるので、これは想定できることだが、その上に経済状況が悪ければ自殺が増えるのは当然のことだ。

家賃支援にしても持続化給付金にしても、もっと簡素な申請にして、うそを書いて給付金をもらった人間を警察が捕まえて重罰にすれば、いちばん早く困っている人にお金が届くのだが、日本の警察が働く気がないから、役人もそれがわかっているから、こんな面倒な手続きになるのだろう。

政治家(警察になんらかの借りがあるのだろう)も警察の仕事を増やさないように忖度しているとしか思えない。

「コロナ禍での自殺を増やさないために、お金が手に入るのを迅速にするための協力は惜しみません」というような警察庁長官が出ればいいが、財務省から年金財政を楽にするために自殺を増やしてくれという密命を受けているのか、あるいは警察官僚のパーソナリティに問題があるのか、そういう動きは絶対にないと言っていい。

image by: Khafre / CC BY-SA

和田秀樹この著者の記事一覧

高齢者を専門とする精神科医、学派にとらわれない精神療法家、アンチエイジングドクター、そして映画監督として、なるべく幅広い考えをもちたい、良い加減のいい加減男。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」 』

【著者】 和田秀樹 【月額】 ¥880/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 土曜日

print
いま読まれてます

  • 山口達也を破滅させた“本当の容疑者”フジテレビと警察の欺瞞を暴く
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け