なぜ日本の女性は怒らない?安倍前首相「女性活躍詐欺」の動かぬ証拠

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7年8ヶ月の在任期間中、数々の戦略を掲げてきた安倍晋三元首相。しかしながら、「掛け声」だけで終わってしまったと言っても過言ではない施策も少なくないようです。その中のひとつとして「女性の活躍」を挙げるのは、ジャーナリストの高野孟さん。高野さんはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』で今回、現状の日本が「女性の活躍」とは程遠い位置にあることを様々な資料を示しつつ解説するとともに、何一つ努力をしてこなかった安倍前首相を厳しく批判しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年10月12日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

何もかも出任せの言いっ放しという安倍政権の無責任――例えば、「女性の活躍」はどうなったのか?

安倍晋三前首相は何によらず、大袈裟な口ぶりでその場限りの出任せを言って最初のうちだけやってるフリをして、半年か1年もするともうすっかり忘れたかのように、全然別のことを言い出して「やってるフリ」を更新するという風で、検証も総括もせずに放ったらかしにしてしまう。どうせ国民はバカだから、いちいち覚えていないよと思ってそういうことを繰り返してきたのだろうが、そうは問屋が卸さない。安倍前首相の挙動のいちいちをこれからも粘っこく追及して責任をとらせなければならない。それは単に過去を振り返るためだけでなく、安倍前首相の共犯者でありながらそっくりそのまま政権を引き継いだ菅義偉首相の未来を占うためでもある。

「成長戦略の中核」が何だったか覚えていますか?

例えば「女性の活躍」である。多分誰も覚えていないかもしれないが、安倍政権の最初の国民向けのメッセージはこれだった。

第2次安倍政権が発足して3カ月、日銀総裁の首を黒田東彦に挿げ替えて鳴り物入りで「アベノミクス」を発動させた安倍前首相は、4月19日に日本記者クラブで乾坤一擲とも言えるテンションの高い「成長戦略スピーチ」をブチ上げ、その中でこう述べた。

人材資源も、活性化させねばなりません。優秀な人材には、どんどん活躍してもらう社会をつくる。そのことが、社会全体の生産性を押し上げます。

現在、最も生かしきれていない人材とは何か。それは、女性です。女性の活躍は、しばしば、社会政策の文脈で語られがちです。しかし、私は、違います。成長戦略の中核をなすものであると考えています。

女性の中に眠る高い能力を、十二分に開花させていただくことが、閉塞感の漂う日本を、再び成長軌道に乗せる原動力だ、と確信しています。

「社会のあらゆる分野で2020年までに指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする」という〔03年に小泉内閣の男女共同参画推進本部が掲げた〕大きな目標があります。

先ほど、経済三団体に、全上場企業において、積極的に役員・管理職に女性を登用していただきたい。まずは、役員に、一人は女性を登用していただきたい」と要請しました。

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