「かならずバレる」と意識させる。企業内犯罪の効果的な防ぎ方

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軽い気持ちでやってしまったとしても、発覚すればすべてを失うと言っても過言ではない企業内での犯罪行為。はたしてみなさんが働く現場では、そんな行為を未然に防ぐための対策はなされているでしょうか。今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』では著者の川岸宏和さんが、職場からの金品の持ち出しやカラ出張の防止法等を紹介しています。

企業内犯罪

私が経験した企業内犯罪は、カラ出張、レジからの現金持ちだし、商品の持ち出し、原材料の持ち出し、原料配合表の持ち出し、製品の賞味期限の付け替え、賞味期限の切れた原料の使用、個人情報の持ち出しを行い特定の個人へのつきまとい等がありました。もちろん行った方へは厳しい処分が出され、結果的には退社することになってしまいました。

就業規則上は、いずれの行為も禁止していますが、財布の中に現金が足りないときに、事務所の金庫の中に現金があれば、「月末の監査までに、戻せばばれないから」と思いつい手をつけてしまいます。

クレーム対策と同じで、企業内から犯罪者を出さないために、

  1. 直ぐにできること
  2. ちょっとお金をかけて出来る事
  3. 誰が管理しても犯罪を起こせないようにすること

の3点を常に検討し、実施することが必要です。小口現金の例であれば、毎日業務終了時に複数人で現金の実査を行えば、現金の持ち出しを行う事は出来なくなります。ただし、常に業務の合理化も考える事が大切です。毎日現金の実査にかかる人時を減らすことが必要です。クレーム対策でも、複数人で確認すると言ったことを対策にしがちですが、経費が上がらずに生産性が上がって、不正、トラブルを防ぐことを考える必要があります。最終的には、事務所に現金を置かないと言う方策が必要です。

どんな仕組みを作っても、企業内犯罪は無くならないかもしれません。しかし、仲間を犯罪者にしないために、必ず、内部監査で見つかる仕組みを作り上げるべきです。

スーパーのレジから現金の持ち出す企業内犯罪を防ぐ事で考えて見ます。今では、一般的な、レジスター、レジの導入は、現金をザルで管理していた時代では、ザルから現金を不正に持ち出しても気がつくことができません。まして、監査を行っても、ザルの中にいくらあれば正解かも監査の方法が無い状態です。

レジを導入することで、レジの中に現金がいくらあるかの情報を得る事ができます。しかし、おつりを間違えた場合と、現金をレジの従業員の方が抜いた場合の区別ができません。しかし、レジの中にあるべき金額と、実際の金額の差違を出す事はできます。

私が経験したお店では、差違が1,000円以上あった場合のみ報告書を出す決まりだったため、毎日500円を抜いていた従業員の方がいました。はじめは、レジ1台分から抜いていたのですが、不正が見つからないと解ってからは、他のレジからも500円を抜き、最終的には、5台のレジから500円を抜いていたのです。

レジから現金を集める担当者だったため、その方が担当の時だけ、差違が多く、監視カメラを駆使して、犯行を確認することが出来ました。しかし、結果として、犯罪者を産んでしまったのです。

現金を入れると、自動でおつりが出てくる自動レジの導入が進んでいます。自動レジは、1万円札が何枚、100円玉が何枚あるはずと表示できるので、釣り銭ミスの可能性がなくなります。また、レジ担当の方の知り合いのお客様との間で、商品のスキャンを行って、最後に取り消しのボタンを押して、「かご脱け」、「レジ抜け」を行ってしまう場合があります。他の方から、レジを見ていると、スキャンをしているので、正しく操作しているように見えますが、取り消しボタンの操作を行う事で、支払わずに済んでしまいます。「取り消しボタンを押した場合は、監視カメラで再確認する」とルールを定め、監査を行う事で、不正を未然に防ぐことが出来ます。

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