菅総理が「陰の総理」こと杉田副長官の証人喚問に応じるしかない訳

 

●uttiiの眼

さらに論点としては、学術会議の改革の問題にすり替えようという動きも批判する社説。ここに示された論点は、繰り返し報じられるべきもの。杉田副長官の問題については、昨日の国会質疑を受け、1面トップの記事で指摘されている。

昨日の質疑の中からどの点を捉えるか、新聞によって違いがある。《朝日》は「国民・国会に責任が負えない場合」は拒否できると答弁した点を捉えている。「多様性を確保するため」という“理由”に代えて出てきた“新基準”。しかし、これら6人の教授たちを任命してしまうことが、「国民・国会に責任が負えない」というのも凄い話だ。

ほとんど、“憎しみ”のような暗いパッションさえ感じられる。しかし、その“憎しみ”の出所は菅義偉氏ではなく、杉田和博官房副長官だった可能性がありそうだ。公安警察上がりの杉田氏が、憎しみにも似た激しい排斥感情を6人に対して抱いた張本人である可能性が高いように思う。いったい、何があったのだろうか。

【サーチ&リサーチ】

「杉田」氏に関する報道を10月15日以降の記事で見てみよう。まずは10月15日に野党は杉田氏の国会招致を要求。同日の別記事では野党の要求は当然とする内容の記事。そして、同日の社説では…。

2020年10月15日付
「加藤勝信官房長官は六人を除外した起案段階の人選について「首相が一つ一つチェックするのではなく、事務方に任せていた」と説明している。さらに、首相の決裁前に杉田和博官房副長官が首相に対して口頭で、任命できない人が複数いることを報告していた」と。

10月16日付社説
自民党が、事務方の官房副長官が国会に出ることはあまりなく、慎重にすべきだと言っていることに対して、社説子は「杉田氏と同じく官僚出身の「事務」でも委員会審議に出たケースはある」と援護射撃的な指摘。西松建設事件に絡んで、当時の漆間巌官房副長官が5回も出席した例を挙げる。

*16日付の「こちら特報部」では、杉田氏が警察庁出身で、7年10カ月の長期にわたり、事務方トップの現職を務めたことを指摘。さらに今回の任命拒否の背景として次のようなことを挙げる。

「2013年に成立した特定秘密保護法などに批判的な会員が少なくなかった学術会議に対し、政権内で15年ごろから不満が高まった」ということがあり、杉田氏が動いて「16年の補充人事で後任候補者を決める前に説明を要求し、17年の改選時には、前年の経緯を踏まえ、大西隆会長(当時)に選考途中の候補者リストを出させた」という。さらに、記者は、公安畑の警察官僚が権力中枢の重要ポストに就くのは、戦前の警察国家の反省から公安委員会制度ができた流れに逆らうものと見ているようだ。

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