文在寅より後回し。菅首相がプーチンのロシアを軽視する決定的証拠

 

菅首相のロシア観

菅さんのこれまでの言動を見ると、安倍さん比で「ロシア軽視」だろうと思います。

菅さん外交の基軸は、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の実現。それで、アメリカ、インド、オーストラリアとの関係が一番大事。日米豪印(クアッド)に、アセアン10か国を巻き込んでいく。さらに、イギリス、フランス、ドイツを引き入れ、反中同盟を拡大していく。現状ロシアは、はっきり中国側についている。しかも、プーチンは、北方領土を返す気が全然なさそうだ。だから、菅首相のもとで、日ロ関係は低調でしょう。

菅さんがロシアを重視していない証拠を一つ挙げておきます。菅さん、総理に就任した後、どの国の首脳に電話したのでしょうか?

まず、アメリカのトランプさんです(9月20日)。次に、オーストラリアのモリソンさん(9月20日)。9月22日には、ドイツのメルケルさん、EUのミシェルさんに電話しました。9月23日、イギリスのジョンソンさん。9月24日、韓国文在寅。9月25日、インドのモディさん、習近平。

習近平は、属国とみなしている韓国より後回しにされた。ひどく恥をかかされた恰好です(ちなみに、習は世界一速く菅さんに祝電を送り、日本重視の姿勢をアピールしていた。だが、菅さんは、習の好意を「完無視」していた)。

9月29日、ロシアのプーチンに電話。どうですか、これ?菅さん、「ロシア軽視」の姿勢が露骨です。というわけで、菅政権、日ロ関係重視せず。

もちろん、対中国でロシアを味方につけることは大事です。ですが、日米豪印を中核に、イギリス、フランス、ドイツ、アセアン10か国で「反中同盟をつくる」という方向性でいいのではないでしょうか?やはり、「利害が一致する国々」との関係を最優先すべきですね。

image by: 首相官邸

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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