尖閣で中国を挑発した日本船の正体。裏で糸を引く自民極右議員の実名

 

下村や稲田ら「安倍親衛隊」が図に乗って

想像するに、茂木はやや勢い込んで、中国公船の日本漁船追尾という「個別の事象にも言及しつつ、我が国の懸念を伝達し」ただろう。ところが王毅は(多分、通訳だけを入れた1対1のテタテの場だったと思われるが)「いや、あれはただの漁船でなく、右翼活動家が乗り組んでいたので、上陸されたりして大事になってはいけないということで警戒したんですよ」と言ったのだろう。茂木は、もし知らなかったとすれば「えっ」と絶句し、知っていたとすれば苦笑いして「いや、実は我々も困っているんですよ」とでも言うほかなかったのではないか。

その結果、日本側発表では「前向きな行動を強く求めた」とか「中国漁船の違法操業について指導の徹底を改めて強く要請した」とか、言葉尻では「強く」が繰り返し表現されているものの、具体的には何も引き出すことができずに、「東シナ海を平和・協力・友好の海とする」との一般論の確認に終わったのに違いない。

このため自民党タカ派から「茂木は態度が軟弱だ」「なぜその場ではっきり反論しなかったのか」などという批判の声が上がったのは仕方がないとして、共産党の志位和夫委員長まで11月26日の会見で、「日本が実効支配している領土に対し、力ずくで現状変更をしようとしている中国」がけしからんのであり、それに茂木が「何ら反論もしなければ、批判もしない。極めてだらしがない」と、産経新聞社説も顔負けの批判を突きつけたのは、どうだろうか。

多分、志位も知らないからこんな勇ましいこと言ったのだと思うけれども、これは「右翼のデモンストレーション船」であり、さらに岡田の探索によると、何と!それをバックアップしているのは下村博文=元文科相、稲田朋美=元防衛相、山田宏=参院議員ら安倍親衛隊の有力議員を中心とする右翼議員らである。

デジタルTV「チャンネル桜」のYouTube20年6月25日「尖閣漁業活動と中国船侵入状況報告の記者会見」で同チャンネルの水島総代表が語っているところによると、彼が主導して行ってきた尖閣での挑発的行動はこれが24回目で、近年は石垣島で漁船をチャーターして尖閣周辺で実際に漁業を行い、その釣果の一部を実際に食するイベントを行って「このように豊かな漁場を中国に盗られてたまるか」とキャンペーンすることに力を入れているようである。

【完全版】尖閣漁業活動と中国船侵入状況報告の記者会見~尖閣諸島を護る我が国の積極的行動、周辺海域で捕れた魚のお披露目[桜R2/6/26]

この日、議員会館で行われた記者会見では、水島代表が「民間でできる実効支配」はこれだと言って、一昨日から昨日にかけて自分が漁船に乗って獲ってきた魚を並べ、さらにそれらを捌いて寿司に仕立てたパックを100個も用意し議員やマスコミ関係者に配るという、なかなかのパフォーマンスを展開した。

稲田は席上、父親が尖閣に特別の思い入れを持っていたことを涙ながらに語り、下村は終わり頃に駆けつけて寿司を美味い、美味いと頬張っていた。

高野孟さんのメルマガご登録、詳細はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 尖閣で中国を挑発した日本船の正体。裏で糸を引く自民極右議員の実名
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け