尖閣で中国を挑発した日本船の正体。裏で糸を引く自民極右議員の実名

 

尖閣周辺海域に中国艦船が頻々と出没?

尖閣で起きている事態について、この小見出しのように曖昧語を連ねて記述すれば、「その通り」と言わざるを得ない。新聞などの報道ぶりも大体これと同じ程度の知的レベルなので、その結果、なんとなく「中国は怖い」という印象が増幅されていくのである。

誰がそのような印象を広めたがっているのかと言えば、それは安倍~菅両政権であり、防衛・外務両省であり、安倍の熱烈応援団の反中ヘイト集団である。中国が怖い存在で、今にも日本を侵略しようと虎視眈々としているのでないとすれば、「自由で開かれたインド太平洋」連携という外交戦略の基本も無用だし、海上自衛隊のヘリ空母や陸上自衛隊の南西諸島への基地建設とそれらをバックアップする「スタンドオフミサイル」とか言う長距離の事実上の敵基地攻撃兵器もまるっきり無用だということになってしまうし、反中右翼も存在意義を失う。だから中国が攻めてこないと判ってしまうのは困るのである。

何が「曖昧語」なのか。

まずは「尖閣周辺海域」である。この海域には、

  1. 領海(言うまでもなく領土の基線から12カイリ=22.2kmで主権の範囲)
  2. 接続水域(その外側の12カイリで、公海の一部ではあるけれども主権行使に必要な一定の権限が及ぶとされる範囲)
  3. 排他的経済水域(基線から200カイリ=約370kmで水産資源や海底資源などの権利を主張しうる範囲)
  4. 日中暫定措置水域(日中漁業協定で尖閣の北方のかなり広大な水域で双方の漁船が相互乗り入れできると定めた範囲)

の4種類があり、そのいくつかは重なり合っていて理解することが難しい。

領海はもちろん領土と同じで、明明白白たる主権の下にあるが、それでも外国船舶が許可なしに通過するのは許されているし、その船舶に軍艦が含まれるかどうかについては国際的に統一された見解はないけれども、日本は米英などと共に軍艦の無害通航権を認めている。

接続水域は、基本的に公海ではあるけれども、密輸や不法出入国などを防ぐには領海の範囲は狭すぎるということで、その限りの主権行使が認められる範囲であって、そこを外国艦船が通航するのを規制することはできない。

日中暫定措置水域はもちろん公海で、しかし双方の漁船にとって豊かな漁場であるため、漁業協定で、お互いの漁船は相手国当局の許可なしに入って操業することができ、また双方の当局は自国の漁船のみ取り締まって、相手国の漁船に対しては警告を発し相手国当局に通報することはできるが、直接取り締まることはできない。

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