「質の良い睡眠」は売れる。スリープテックに学ぶビジネスの本質

 

どうしたらこの発想ができるのか?

このスリープテック商品の事例から、もう1つ学べることがあります。それは「商品ではなく顧客価値を売る」ということです。

フィリップスの事例では、時計という商品ではなく「快適な朝」を、NEWPEACE Lightは、マットレスではなく、「快適な眠り」を、それぞれ売っています。顧客が買うのは、時計でありマットレスですが、顧客が欲しているのは、快適な朝の目覚めや、ぐっすりと眠ることができる夜なのです。

製品開発をする段階で、「うちの会社は技術力があるから、いい時計を作ろう」とだけ考えていたら、目覚まし音のバラエティーが豊富、とか、デザインが綺麗な外見などといった、究極の時計はできるかもしれません。しかし、快適な朝の目覚めを提供する、独自化、差別化された、スリープテックの時計はできません。時計、として勝負をしていると、他の時計と比較されて、最後は価格の安い方が選ばれてしまう、という価格競争に陥ります。

時計を作ろう、と考える前に、時計のユーザーは、何を求めているのか、目覚まし時計を使う普段の生活の中で、ユーザーは何をしているのか?といったことを想像し、これをユーザーが喜ぶであろう、という仮説を立てます。その仮説に基づいて、できることは何か?を考えるのです。

うちの会社は何ができるのか?よりも、ユーザーは何が欲しいのか?を先に考えることがあって初めて、このような商品に至るのです。

image by: Shutterstock.com

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