地球温暖化で「天気の下品化」が加速している。気象予報士が危惧する根拠

 

むしろ、富士山で深刻なのは永久凍土での問題です。シベリアで異常な高温が続き、永久凍土の融解が進んでいることが確認されていますが、日本も例外ではありません。日本は永久凍土分布の南限近くに位置し、緯度と標高の高い北海道の大雪山や富士山などに、永久凍土が存在しているのです。

永久凍土は氷河時代からずっと凍りついているので、そこには有機物やメタン、二酸化炭素などの温室効果ガスが閉じ込められていますし、ウィルスなども含まれています。それが地球温暖化によって溶けると、温室効果ガスが大気中に放出され、さらに地球温暖化を加速する可能性が指摘されています。ウィルスが息を吹き返せば、100年に一度のパンデミックのスパンが、70年、50年に縮まる可能性もある。

いずれにせよ、これから私たちが生きる時代は「自然の猛威」に翻弄される時代であり、それは避けようがないリアルです。

EUでは2030年までに、温暖化ガス55%削減目標を掲げるなどしていますが、日本の温室効果ガス排出量を実質ゼロにするという目標のゴールは、2050年です。…2050年…。2050年じゃ遅い!というのが世界の考えです。私も1990年代から空と付き合ってきた経験から、2050年じゃ遅い!と考えています。

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
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