緊急事態宣言下、日本の株価が上昇する6つの理由と空売り比率の異常

 

日本の状況

日経平均株価は、2018年10月02日24,270円で、コロナで3月19日16,358円まで下げ、2021年1月8日は28,139円で、30年5ケぶりの高値で、1月12日25円高の28,164円、13日は292円高の28,456円、14日は241円高の28,698円、15日は179円安の28,519円。

1月14日まで5日続伸が続き、1990年8月6日以来の高値更新になった。14日には28,979円と29,000円に迫る場面もあったが、14日午後2時半過ぎから、AIと思われる機械投資で、猛烈なN225先物の売りと半導体株の売りが出て、28,500円まで下げた。

ボリンジャーバンド上限のプラス3シクマまで上昇した株価で、売りが出たようである。しかし、下げた時点から盛り返して241円高で引けている。14日はマイナスにはならなかった。それだけ、日経平均株価は強いということだ。

しかし、1月14日が株価転換点になったようだ。15日は朝方高値からスタートしたが、終日下げが続き179円安になった。何か気持ち悪い雰囲気の相場になってきた。

14日から緊急事態宣言の拡大で関西、中部と福岡も出されて、関東圏でも栃木が加わり、GDPが2.5兆円ほどの落ち込みになると予測されているのに、株価だけは30年ぶりの上昇になっていたが、それも転換した可能性がある。

海外投資機関のAI機械売買での下げと材料出尽くし感のNYダウ下落の影響を、食い止めることができるかが、来週の見どころである。

株価上昇の理由

コロナ感染症で日本経済は大きく減速しているし、失業者が増えて失業率は4%に乗せているし、飲食業界を中心に廃業・休業・倒産が増えている。今後も廃業が増えると予想できるし、企業のリストラも盛んになっている。

この中でも、株価は大きく上げている。その理由を知る必要がある。第3四半期決算発表では、15日現在で実に551社が今季利益を上方修正にした。景気は悪いが、企業は経費節減をして利益を増加させている。しかし、大きな株価の上昇は次の理由による。

1つ目として、コロナ感染症がはやり始めた時には、医療関係やマスク、消毒液などの会社の株価が上昇した。

2つ目として、コロナ感染症拡大で緊急事態宣言になり、在宅勤務で、PCが売れて、その業界の売り上げが伸びたこと。このPCの電子部品会社の株価も上昇し、半導体会社、半導体製造機械会社の株価も上昇した。

在宅勤務で、家にいる時間が長くなり、ゲーム・宅配・EC企業の株価も上昇した。

3つ目として、トヨタ・ホンダなど自動車会社は、中国市場、米国市場での販売が好調になった。特に中国の景気がよいことで、工作機械・ロボットなども好調になっている。鉄鋼業界の株価も上昇した。このように中国経済の拡大で日本企業の株価が上昇したことになる。

4つ目として、菅政権が景気刺激策として、国土強靭化、デジタル化、グリーン化に大規模な予算を付けたことで、この業界の企業株価が上昇した。特に太陽光、水素、電池、リサイクル業などの会社の株価が上昇した。

5つ目として、米国の大量の資金投入で、米国株が高過ぎることで、出遅れの日本株投資が起きて、海外投資家が大量のN225などの指数買いをしたことで、指数寄与度の高い企業の株価がすっ飛んでいる。この上昇を見て、日本の個人投資家も大挙、参入してきた。

海外投資家は、この数年空売りを大量に仕掛けたが、日銀ETF買いで株価が下落しないために、大きな損を抱えていた。この空売りを買い戻したのである。その額が5兆円とすさまじいために、この買い戻しで、株価は上昇した。

6つ目として、ワクチン接種が始まり、鉄道・航空・レジャー会社株が下落していたが、コロナ後を見て、安いと買いが入り始めて株価が上昇している。

というように、多くの企業の株価が上昇したことで、日経平均やTOPIX、マザーズなど多くの企業の株価が上昇しているが、5つ目の理由で日経平均株価中、特に値がさ株の7企業の株価が大きく伸びている。

しかし、今後は、株価が高すぎるために、調整局面になる可能性もある。しかし、海外投資家は、空売りで懲りているので、日本株の水準以上の高値以外では空売りしないので、空売り比率が普通45%であるのに、30%以下に下がっている。

一時的な調整局面はあると思うが、売り圧力が少ないので、基本的には上昇方向のような気がするが、PER25倍という高値にあるので、海外ヘッジファンドが暴落のチャンスを狙っているので、NYダウが暴落したら、日経平均も暴落すると見ておくことだ。

もし、心配なら、手持ち株の信用売りでヘッジをしておくことである。

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