医学博士が教える、コロナワクチンの副作用と打たないことのリスク

 

確かに、ワクチンの副作用がゼロなのかといえば、そういうわけではありません。特に、アレルギー体質の方は注意が必要なのはコロナのワクチンに限らず同じことです。その一方で、mRNAワクチンは従来のワクチンよりも「不純物が少なく」「添加物も少なくて済む」のは事実です。

従来の弱毒化ウイルスなどのワクチンは、鶏卵や哺乳類の細胞を感染させてウイルスを増殖させるところから始まります。このプロセスはmRNAを合成するプロセスに比較するとはるかに複雑で、それだけに安全性を確保するために時間もかかります。一方でmRNAは生物の細胞を使うことなく合成することができるので、はるかにシンプルでクリーンな条件で作ることができます。

ワクチンの詳細はまた別の機会に書くとして、皆さんにはワクチンを接種するかしないかを判断する時に、「又聞きの情報」や「イメージ」では判断してほしくはないと思っています。免疫学的にも公衆衛生学的にも、現段階では新型コロナウイルスのワクチンを打つリスクより、打たないことによるリスクの方が大幅に上回っています。今後、ワクチンを接種した直後に人が亡くなったというセンセーショナルなニュースが入り(すでにいくつかあります)、マスコミが恐怖を煽ることをします。

しかし、その患者さんの死が果たしてワクチンによるものなのか、それとも既往症などがあって「たまたま」死亡するタイミングが重なってしまったのかを、しっかりと見極める必要があります。今後大勢の人にワクチンを接種したら、その直後に亡くなる方は必ずいます。しかしそれは、ワクチンを接種しなかったとしても同じ確率である場合、ワクチンのせいで死亡したということには必ずしもなりません。

ちなみにロサンゼルスでは医療崩壊だけでなく、葬儀業者もおいつかずに、遺体を冷凍して葬儀の順番待ちが生じる事態になっています。数万人の治験で短期的には安全性が確認されたワクチンの死亡率と、新型コロナウイルスに感染して重症化の後の死亡率、冷静に考えてみる必要があります。

image by: Giovanni Cancemi / Shutterstock.com

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ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。

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