医学博士が教える、コロナワクチンの副作用と打たないことのリスク

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新型コロナウイルス感染症の収束のため必要不可欠なワクチンですが、「誤った情報」を鵜呑みにしたり副作用を恐れるがあまり、接種にためらいを見せる人も少なくありません。このような状況を専門家はどう見ているのでしょうか。今回のメルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』では著者で米シアトル在住の医学博士・しんコロさんが、現時点で判明している、副作用を含めた「ワクチンの真実」を包み隠さずに紹介。さらに「ワクチンを打つリスクより打たないことによるリスクの方が大幅に上回っている」と断言しています。

ワクチン打つ?打たない?

皆さんおはようございます!あっという間に1月も終わってしまいましたがいかがお過ごしですか?日本では11都府県に発令している緊急事態宣言を延長するというニュースがありましたが、皆さんの生活への影響はいかがですか。首都圏4都県と関西圏3府県では医療提供体制の状況が厳しいようで、心配が絶えない日々だと思います。マサチューセッツ州も毎日東京の数倍の速度で感染拡大をしています。

NYやロサンゼルスではさらに感染拡大し、状況は深刻さを深めています。NYではワクチンの接種もマサチューセッツ州より早いようです。MSKの元同僚達はすでに職場で接種を受けたそうです。今のところ、特に副作用は感じていないとのことでした。ワクチンといえば先日ツイッターで「新コロナのワクチン打ちたい?」という質問をしてみましたが、見事に意見が半々に分かれました。打ちたくないという意見の方の多くが、副作用を心配しているとのことでした。

ワクチンには副作用はありますし、それはワクチンに限らず薬には程度の差こそあれ副作用が必ずあります。ただ、誤解や誤った情報を元に判断をしてしまうのは問題なので、そこは明確にしておきたいところかと思います。先日、ウィスコンシンの病院の薬剤師が、500本の新コロナワクチンを無効にする目的でわざと室温に放置したことで逮捕されたというニュースがありました。その薬剤師は、「ワクチンは人間のDNAを変えてしまう」という間違った知識で犯行に及んだのでした。

ファイザーやモデルなのワクチンはmRNAワクチンというものですが、これはプラスミドDNAを用いたワクチンとは違い、ゲノムを書き換えたり組み替えたりということはしないようにデザインされています。mRNAはゲノムの存在する細胞核に入ることをせず、細胞質内でタンパク質の生成に使われます。mRNAは非常にもろい性質をしているので(そのため冷凍保存が必須なのです)、使用された後は分解されてしまいます。なので「新コロナワクチンは人間を遺伝子組み換えにしてしまう」というのは間違った理解です。

でも、mRNA自体は遺伝子組み換え技術で作られたのではないか?という疑問もあるかと思います。正確には、遺伝子を組み替えることに使われる分子生物学の手法を使って作られています。でもそれはmRNAワクチンに限らず、インシュリンもそうですし、インターフェロンもそうですし、iPS細胞を使った再生医療もそうです。様々な医薬品の分野で遺伝子組み換え技術と同様または似た分子生物学の手法は使います。ですから、「遺伝子組み換え」という言葉を聞いたとたんに拒絶反応を示すことをせず、出来上がった医薬品や治療法そのものに目を向けるべきでしょう。

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