なぜアイリスオーヤマがソフトバンクとロボット事業を始めるのか?

 

アイリスオーヤマでは、毎週月曜日にアイディア会議という、新商品開発のためのプレゼン会議があります。ホームページによると、「1つの案件につき5~10分で社員が、次々とプレゼンテーションすることから、新商品開発会議は「プレゼン会議」とも呼ばれています」とのこと。2018年における売り上げのうち、62%が新商品が占めているそうです。

この凄まじい商品開発力と、それをヒットさせる力は、「社員も生活者」というコンセプトから生まれています。なるほど家電は、ユーザー体験からの視点で発見された、ニーズを具現化したものなのです。

アイリスオーヤマはなぜソフトバンクと組んだのか?

一方で、ソフトバングはこれまでも、人型のロボットの「ペッパー」などを開発してきた経験もあり、誰もがその技術力を認めています。今回、アイリスとソフトバンクグループとが、ともに会社を作った背景には、その相乗効果を期待する点にあります。

アイリスオーヤマの商品開発力を、ソフトバンクロボティクスの、AIやロボット開発などの技術力と組み合わせて、アイリスの販売に関するネットワークとノウハウを活用する、といった一連の流れができることにあります。これも今までにはなかった「バリューチェーン」が、双方の力でできる、ということになります。

IT系のニュースサイト『インプレス』によると、この両社は従来から、除菌掃除ロボットの「Whiz」の販売を、共同で行なっていましたが、合弁会社の設立によってこれをさらに進化させる、ということが狙いです。

手始めに、法人向けサービス・ロボットとして、AIを活用した除菌清掃するロボットの「Whiz i アイリスエディション」と、配膳・運搬をするロボットの「Servi アイリスエディション」を販売すると報道されています。

これらの商品ラインアップは、コロナ後の新常態の経済の中で、人手不足のホテルや飲食業界のニーズにマッチしそうです。ホテルなどで清掃ロボットだけではなく、布団やシーツの運搬も出来るので、5フロアを2人で分担していた分をその半分で可能になる、ということができそうです。

また、ファミレスなどでも、単にこのアイリスのロボットが運ぶだけではなく、ここのところ進化してきた回転寿司のように、メニューもタブレットで選び、自動移動式のロボットが運んでくれる、というファミリーレストランなんかも出てくるでしょう。そのうち、ルンバの進化系のような消費者向けもぜひ、出して欲しいところですよね。楽しみです。

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