あの二重跳びができなかった子は、なぜある日突然飛べるようになったか

 

ある日、ノミAは無数のノミ仲間と一緒に遊んでいる内に、自分がいつもよりだいぶ高く跳べていることに気付く。ノミAは思う。

「あれ。自分も跳べるんじゃね?」

かくして、試してみたら、跳べる。跳べた。びょーんといけた。

まさに「クララが立った!」の瞬間である。要は、自己催眠をかけていた訳で、元々その能力自体は身体に備わっていたので、当然といえば当然のことである。

ここのポイントは、ずばり「仲間」である。人間も、どんな仲間に囲まれているかで、自分の能力を規定するところがある。進学校に行ったら毎日数時間勉強するのがみんな当たり前だし、部活動の強豪校へ行けば、厳しいトレーニングもみんな日常である。それを普通にこなす人間がいる。そうすると、自分もできる気がしてくる。

小学校などでも同様の現象は起きる。なわとびがわかりやすい。体育で、誰か一人が二重跳びを成功させると、次々にできる子どもが続出する。

ちなみに現任校では、はやぶさのような高度な技を平気でビュンビュンやる子どもが何人もいる。三重跳びをする子どもまで出てきた。昨年度は前跳びの1回旋1跳躍から始めた、現2年生である。

これは、物凄い勢いで練習する先駆けの子どもたちが存在したためである。「○○さんができるなら、自分もできる!」と思い込み、集団が次々とできるようになってしまったのである。潜在能力恐るべし、である。

自分の本来もつ能力を引き出すには、仲間。教育にはもちろんだが、これは大人にも当てはまる。自分は、どんな仲間に囲まれているか。人生を規定する大切な要素である。

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