なぜ財務省OBは「税務調査」されないのか?元国税調査官が暴露する「特権」の実態

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なぜ財務省OBには税務調査が行われないのでしょうか。普通の事業者であれば数年おきに調査を受けるにもかかわらず、財務省幹部OBが調査を受けた事例はほとんどありません。国税庁は財務省の「下部組織」であり、大企業が天下りを受け入れる目的の一つは国税を懐柔することにあります。2007年に天下りが「事実上の自由化」されて以降、財務省幹部OBの平均資産額は5億〜10億円程度に膨れ上がっていると推測されます。メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』では、著者で元国税調査官・作家の大村大次郎さんが、この不公平な実態を詳しく解説しています。

※本記事のタイトルはMAG2NEWS編集部によるものです

なぜ財務省OBには税務調査がされないのか?

このメルマガでは、何度か財務省幹部の天下りについて言及してきました。日本の上場企業の多くは、何らかの形で財務省幹部の天下りを受け入れています。なぜ企業が天下りを受け入れるかというと、補助金や各種の優遇措置などの経済政策で恩恵を受けたいからです。それともう一つ大きな目的があります。

それは「国税を懐柔する」ということです。国税庁は、財務省の外局です。表向きは、財務省と国税庁は別組織であり、国税庁の弁によると「財務省と国税庁は別個の組織であり健全な緊張関係にある」ということです。

しかし、実際には、国税庁長官をはじめ国税庁の幹部は、財務省のキャリア官僚が占めており、国税庁は完全に財務省の「下部組織」になっているのです。当然、国税庁は財務省の言いなりです。

だから大企業にとっては、財務省の天下りを受け入れることは、国税庁に手心を加えてもらうという意図があるのです。江戸時代の越後屋と悪代官そのものの関係です。実際に、国税庁の最強部隊と言われるマルサは大企業には入らないという不文律があります。そのことについては、2024年2月1日号に詳しく述べています。

財務省OBは税務調査を受けない「特権」

そして当然のように、財務省幹部OBには税務調査は行われません。財務省幹部OBは、事実上国税から調査されない「特権」を持っています。財務省幹部OBが税務調査を受けた事例はほとんどないのです。

財務省OBの中には、弁護士になったり税理士になったりするものもかなりいます。彼らは、東大法学部出身者が多いので、入省する前から弁護士資格を持っている者も少なくないのです。そして、財務省OBのほとんどは税理士資格も得ることができます。税務に関連した業務を行なっていた公務員は、23年以上の勤務で税理士資格を得ることができるのです。

また彼らは、弁護士、税理士ではなくても、コンサルタント業をしていたり、不動産業をしていたりする者も多いものです。そして、彼らの弁護士業、税理士業、コンサルタント業も非常に恵まれています。大企業などが、役員などとして受け入れるのではなく、弁護士や税理士への依頼という形で報酬を出すケースも多々あるからです。こういうケースの場合は、天下りと違って公表されることはないので、いくらくらいもらっているのか実態がまったく不明です。

財務省は国税庁を使い、マスコミなどを徹底的に税務調査して言う事を聞かせるようなことをしてきました。が、国税庁は本来、財務省から独立した機関です。そして国民の収入、資産に不審な点があれば調査する権限を持っているはずです。にもかかわらず財務省キャリアOBは税務調査をされることはほとんどないのです。

財務省OBの退職後の事業や収入というのは、不審な点も多く、国民の関心も高いものです。普通に営業している事業者、企業ならば数年おきに税務調査は行われているのに、財務省OBだけが税務調査を受けないということは、非常におかしいことです。税の公平の観点から見ても異常です。財務省OBの徹底的な税務調査を、国は全力を挙げて行うべきでしょう。

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