田村淳やTOKIOを辞退に追い込んだ東京五輪「聖火リレー」の迷走を新聞各紙はどう報じてきたか?

 

*そして、延期が決まり、森氏の女性差別発言へ。

2021年2月4日付
お笑いコンビ「ロンドンブーツ1号2号」の田村淳さん(47)が聖火リレーを辞退。理由は「森喜朗会長がインタビューで、東京五輪は新型コロナウイルスがどんな形でも開催するんだという理解不能な発言をされ、タレントは人が集まるからと田んぼで走ることを推奨していたが同意しかねる」として。

2021年2月8日付
自治体から、聖火リレーを安全安心に行うための目安、ガイドラインを示してほしいという切実な声が上がっているとの記事。

*森会長(当時)の女性差別発言に批判が高まる中…。

2021年2月9日付
「東京五輪・パラリンピック組織委員会は8日、4日以降に約390人が大会ボランティアへの辞退を、2人が聖火リレーランナーへの辞退をそれぞれ申し出たと発表した。組織委は辞退理由を公表していないが、3日に森喜朗会長が女性蔑視の発言をした影響とみられる。またこの5日間、組織委への問い合わせは電話、メール合わせて約4550件に上った」。

*さらに、聖火リレーを中止するとの島根県の丸山知事の発言には賛意も多く示されて…。

2021年2月26日付
「鳥取県の平井伸治知事は「大都市の感染状況に不安を感じる丸山知事の心情は非常に理解できる」と述べ、県内の聖火リレーの準備を止めていると明かした。山口県の村岡嗣政知事は聖火リレーを予定通り進める考えを示す一方、「(丸山発言は)感染防止対策を講じることを促した。重要なことだと思う」と理解を示した」

*その後、俳優の渡辺徹さん、大関の正代が辞退。神奈川県では「五輪の開催に疑問がある」として1人が辞退。TOKIOと窪田正孝さんが辞退。

●uttiiの眼

もともと、事故を起こした原発について「アンダーコントロール…」と首相がウソをつき、「復興」の美名を僭称して始まった五輪騒ぎ。新型コロナが止めを刺した形と思っていたが、どっこいしぶとく生き残っているようにも見える。

だが、自治体からは怨嗟の声、参加者からも不満続出の「聖火リレー」を強行し、海外からの客も招くことができぬまま開催に及んだとしても、どれだけの意味があるのか。その時間と労力を真の復興と新型コロナウイルス対策に用いるべきだったのではないかと、長く批判を浴び続けることになるかもしれない。

image by:Ververidis Vasilis / Shutterstock.com

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ニュースステーションを皮切りにテレビの世界に入って34年。サンデープロジェクト(テレビ朝日)で数々の取材とリポートに携わり、スーパーニュース・アンカー(関西テレビ)や吉田照美ソコダイジナトコ(文化放送)でコメンテーター、J-WAVEのジャム・ザ・ワールドではナビゲーターを務めた。ネット上のメディア、『デモクラTV』の創立メンバーで、自身が司会を務める「デモくらジオ」(金曜夜8時から10時。「ヴィンテージ・ジャズをアナログ・プレーヤーで聴きながら、リラックスして一週間を振り返る名物プログラム」)は番組開始以来、放送300回を超えた。

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【著者】 内田誠 【月額】 月額330円(税込) 【発行周期】 週1回程度

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