世界が気づき始めた中国の限界。台湾パイナップルいじめ逆効果に焦る習近平

 

一方で、そんな状況に焦りを見せている中国は、なりふり構わず台湾いじめ作戦を展開しています。最近では、台湾産パイナップルの輸入停止がありました。中国は、害虫の検出を口実に、突然、台湾産パイナップルの輸入を停止すると一方的に通知してきましたが、明らかに台湾いじめです。

もちろんこんなことで負ける台湾ではありませんが、実際、台湾産パイナップルの中国への輸出量を見ると、軽視もできません。以下、報道を一部引用します。

2018~2020年のパイナップルの対中輸出量は12万2,876トン、平均すると毎年約4万トンが中国に輸出されている計算になる。4万トンという数字は台湾で栽培されているパイナップルの約10%にあたり、中国のパイナップル輸入停止が台湾の農家に与える影響は非常に大きい。

中国に禁輸された台湾パイナップル問題の本質

中国がパイナップルを標的にしたのは、対中輸出農産物で最も多く輸出されているのがパイナップルだったからではないでしょうか。さらに、次の輸入停止ターゲットは、パイナップルの次に輸出が多い「蓮霧(ワックスアップル)」だとも言われています。

このニュースが世界に配信されるやいなや、日本が立ち上がりました。スーパーマーケットチェーンの西友が、例年の倍の量を買い付けたり、日本人の間に台湾産パイナップルを買おうという機運が高まったり、西友の店頭に並んだ台湾産パイナップルが1日で完売したり。また、カナダの華僑団体の呼びかけで、カナダにはじめて輸出されました。カナダでは、「高雄市大樹産の金鑽パイナップル16.8トンが、台湾系華僑が多く居住するバンクーバーなどに届けられ」ました。

“受難”の台湾産パイナップル、カナダへも 華僑団体などが応援

台湾はコロナの封じ込めに成功していますが、やはりワクチンは必要です。しかし、ドイツのビオンテック社と交渉していた500万回分のワクチンが、交渉していたにもかかわらず確保できませんでした。この理由について、新型コロナウイルス対策を担当する中央感染症指揮センターの陳時中指揮官報道では以下のように言っています。

同社は台湾を含めた中華圏向けの販売などで中国の上海復星医薬と提携しており、陳氏は契約に至らなかった要因として中国当局の介入を示唆した。

台湾、独ワクチン確保ならず 中国が介入か

ただ、

蘇貞昌(そていしょう)行政院長(首相)によれば、台湾は10日時点でワクチン約2,000万回分を確保。国内でもワクチン開発を進めている。

ということですから、台湾はそれほど焦ったことでもありません。そもそも、台湾の人口は2020年の時点で約2,357万人です。中国のように巨大な人口を抱えている国とは事情が違います。

パイナップルの件でもわかるように、中国があからさまに台湾をイジメればイジメるほど、世界は台湾の味方となります。また、コロナ対策は、世界に台湾の存在を示す好材料となりました。とはいえ、中国マーケットから締め出されば、台湾経済への打撃は大きいのも確かです。いかに有効的な経済政策を打ち出すか。ここからが蔡英文総統率いる台湾政府の腕の見せ所でしょう。

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