あまりに脳天気。日本人が知らぬ中国共産党「LINEデータ悪用」の手口

 

一方の日本は、あまりにも能天気です。いまだ習近平国家主席を国賓待遇で日本に招くことにこだわる政治家たちもいます。新型コロナウイルスにしても、中国からの入国をなかなか止めなかったことが、日本での被害を大きくしてしまった一因でした。そして今度はLINEをめぐるゴタゴタです。

日本でも以前から、一部ではLINEについては危険性が指摘されてきましたが、それが正しかったことが証明されてしまったかたちです。

現在、中国はすべての人民を監視するシステムを構築しています。「天網」(スカイネット)と呼ばれるそのシステムは、全国に1億7,600万台の監視カメラを設置し、AIで顔認証できるようにしています。さらには一人ひとりに「信用スコア」をつけて、学歴から犯罪歴、友人関係、購入歴、SNSでの発信履歴までをポイント化し、その人物をプロファイリングするというものです。そして、そのスコアが低いと、飛行機にも乗ることができなくなるわけです。

14億の国民を1秒で特定「中国のコロナ監視」のすごい仕組み

中国に日本人のデータが渡れば、同じようなプロファイリングが行われることになります。友人関係や趣味嗜好ばかりか、LINEなら不倫相手との会話などが取られれば、脅迫の材料にもなってしまいます。

そうやって多くの日本人のデータが採取され、中国で「信用スコア」をつけられるようなことになれば、人権上の問題のみならず、中国の言いなりにならざるをえないようなケースも出てくるでしょう。

イギリスの諜報機関「MI6」は、中国の女性スパイによるハニートラップはイスラム国(IS)より国家安全保障にとって脅威だという報告書を2016年に出しています。

中国の「ハニー・トラップ」はISより脅威 美しすぎるスパイの危険度

相手の弱みを握って脅すという手法は、中国のもっとも得意なやり方です。2004年には、上海の日本総領事館の男性が、ハニートラップにはめられ中国から情報提供を強要され、自殺するという事件もありました。

LINEの情報を中国当局が入手することで、ハニートラップ以上に簡単に、脅迫ネタを取得できてしまう可能性があります。加えて、人を疑うことをしないお人好しの日本人ですから、趣味や嗜好をリサーチされたうえで近づかれたら、それこそハニートラップに簡単に落ちてしまうでしょう。よく行く場所、好きな音楽などを調べ上げた上で、親密になることなど簡単なことです。

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