中国から嫌がらせを受け続ける2国、台湾とパラオで今も息づく「日本精神」

shutterstock_384674080
 

世界中から非難の声があがっている中国のウイグル人権問題。そして同じように長年、中国から嫌がらせを受け続けている2つの「国」があることをご存知でしょうか。この2国に共通するのは、かつて日本に統治されていたという過去です。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、台湾とパラオという小さな島国ながら不屈の精神で中国に抗ってきた歴史と、両国に息づく「日本精神」について紹介しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2021年3月24日号外の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

高まる世界の反中感情、深まるパラオと台湾の絆

パラオ大統領、対台湾関係重視 「友人を選ぶ自由がある」=インタビュー

台湾とパラオ共和国にはいくつかの共通点があります。ひとつは小さな島国であるという点。もうひとつは、新型コロナウイルス感染者がゼロだという点。最後に、民主主義を最も重んじる点です。パラオは台湾と外交関係を結ぶ数少ない国のひとつです。

そして、以前のメルマガでも書きましたが、台湾もパラオも日本がかつて統治した国であり、きわめて親日だという点も似ています。パラオ人の4分の1が日本人の血筋だとも言われており、パラオの国旗は青地に黄色の丸で、日本の日の丸の色違いです。

台湾とパラオという日本が統治した国が、今も中国に屈しない理由

そして、台湾もパラオも、中国から嫌がらせを受けているのも共通点です。パラオは台湾と国交を結んでいることから、中国政府から中国人観光ツアーを止められるといった圧力を受けてきました。

そんな台湾とパラオですが、互いにコロナゼロということで、4月から相互に観光客受け入れを開始することを決めました。団体客に限るなど細かい条件はありますが、海外旅行解禁の第一歩がスタートします。

同時に、パラオのウィップス大統領が3月28日から4月1日まで訪台することも発表されました。そのパラオの大統領が、台湾メディアの単独インタビューを受けました。そして、中国と台湾に対するパラオのスタンスについて、痛快に発言しています。以下、報道を一部引用します。

「ウィップス氏は中国が太平洋での勢力を拡張させていることについて、パラオは民主主義国家であり、『価値観を共有する国家と緊密な関係を維持することは極めて重要だ』と言及。その上で、台湾という堅実なパートナーがいるのは幸運で『この関係を引き続き強化させていきたい。これは疑う余地のないことだ』と述べた。

ウィップス氏は昨年11月の大統領選で当選を果たし、今年1月に大統領に就任した。当選後、北京から接触があったものの、『われわれには友人を選ぶ自由がある。誰と友達になっていけないと言うことは誰にもできない』と返答したことを明かした。台湾との関係を重視する姿勢を示し、『この関係を断つべきだと命じることは誰にもできない』と強調した。」(出典:中央社フォーカス台湾「パラオ大統領、対台湾関係重視 「友人を選ぶ自由がある」=インタビュー」)

なんと明確なコメントでしょうか。大国中国を恐れることなく、自身の立場をここまで明言できるのは、パラオが小国だからでしょう。パラオは、観光を主産業としている太平洋の小さな島国で、人口は約2万人。観光資源である自然を、保護しながら観光業に利用しています。観光客がゼロになっても、自然にとっては好都合ととらえる前向きさ。主産業が観光だからこそ、息の長い観光業を目指すため、自然保護は徹底しています。

新型コロナウイルス感染者ゼロのパラオ、観光局へオンラインインタビュー。サンゴの回復など「自然にとっては好都合」ととらえ取り組んでいく

トミー・レメンゲサウ前大統領も、中国政府の嫌がらせで中国人観光客が途絶えた際に、「集団での観光は環境に被害をもたらしている」「パラオにとって数が大きな利益を意味していたわけではない。われわれは量ではなく質の政策を模索する決意をより強くした」と、中国の嫌がらせに対して、むしろ望むところだといった気概を見せていました。

そんなたくましさがパラオにはあるのです。

print
いま読まれてます

  • 中国から嫌がらせを受け続ける2国、台湾とパラオで今も息づく「日本精神」
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け