そんな中、朝日新聞一面に興味深い記事が掲載されました(29日付夕刊)。米国の大学で、週1~2回の検査を徹底し、無症状の感染者を早期に隔離して感染を防ぐ「サーベイランス検査」が広がっているというのです。
記事によれば、昨年2月に大型クルーズ船で起きた感染者のデータを、ボストン大学の研究者グループが解析。その結果、「無症状の人が後から感染したことが判明し、感染を拡大させた」として、サーベイランス検査の重要性を訴えました。
そこで、同大学ではその仮説に基づき「感染予測モデル」を構築すると共に短時間で検査結果がわかる体制を整備しました。
現在、検査から結果までの時間は約16時間。さらに、サーベイランス検査を実施している大学各々が「対策の検証」を行い、論文で発表するなど「成果」の蓄積が行われているそうです。
つまり、
- データ分析→仮説→モデル構築→実証研究→データ分析→モデル改善→実証研究
という流れの対策を講じることで、「何が必要で、何が必要じゃないか」の情報共有を行なっているのです。
日本ではPCR検査で偽陽性や偽陰性が出ることから、「検査をやたら滅多に行うのは良策ではない」と指摘する人がいますが、サーベイランス検査の結果から、その確率は極めて低いこともわかっています。
日本はとかく検証作業や情報の透明化を嫌いがちです。
でも、本気でコロナ対策に取り組むなら、「ワクチンで~~」と根拠なき楽観にすがるのではなく、「科学的視線を生かした努力」に汗をかいてほしいものです。
みなさんのご意見、お聞かせください。
image by: 首相官邸
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