若年層減で瀕死のアウトドアスポーツに生き残る道はあるのか?

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夏は水着に着替えていた彼女が、冬になると私をスキーに連れてってと言っていたのはもう30年以上も前の話。いま、スキーやスキューバダイビングに興じるのは、30年前に楽しんだり憧れていた世代が多く、若者の姿は減る一方。さらにコロナ禍により、頼みの綱だったインバウンド客も皆無となり、愛好家にとっては10年先が心配な状況のようです。メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江一石さんが、読者の相談に答え、生き残り策を考えます。

夏冬のアウトドアスポーツが生き残るには

Question

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当方夏はスキューバーダイビング、冬はスキーと基本アウトドアを趣味にしています。両趣味ともレジャー&若年人口の減少(スキーは暖冬影響も)&コロナ禍による影響で悲惨な状況(スキー場はニセコなどの有名所除く)に陥っております。

また趣味に高額な器材(レンタル以外では10万程度の初期投資)が必要及び、生活圏から移動時間&手段が必要で世間一般的には敬遠されるレジャーになっています。

両趣味とも現地で会う方は自分も含め中高年(特にダイビングは顕著です)になっており、10年後には両レジャーとも日本から無くなってしまう可能性もあるのではと危惧しております。インバウンドもコロナ禍で暫くは期待できそうにありません。

沖縄の海(特に離島)は海外のメジャー所(パラオやモルディブ)にも負けない魅力があると思いますが、アピール不足(その気もない?)のためか殆ど海外の方に会ったことはありません。

西表のトレッキングは海外客にも人気でしたが…。あとダイビングは経営者が英語が出来ないとの安全上の理由?で断っているのも残念です。基本自己責任のレジャーなのに。

以前とあるスキー場について需要がないのに無理に続けない方が良いとの指摘があったと思います。やる気もない所は無くなっていくのが定めだと理解していますが、自分が活動出来る間(あと20年位)は続いて欲しいと勝手な思いもあります。両レジャーが生き残るためのアイデア(特に国内の若年層の掘り起こし)があれば提案頂けると幸いです。

永江さんからの回答

若者を取り込むとありますが、そもそもこの問題は日本の若者が減り、若者の所得が減っている社会構造によるものです。若者の高額レジャーマーケット自体がなくなっているので、生き残るなら中高年以上に振った差別化が必要だと思います。

まず、今は若者の数だけでなく所得も減っています。平均年収300~400万円なのに、何十万円もかけてスキューバダイビングなんてできません。企業は中高年の給料が下げられずクビを切れないので若者の給料は上がらず、国は高齢者重視で社会保険料負担を上げ、若者の可処分所得は上がらずむしろ減ります。そもそも若者のお金・マーケットがないので、打ち手も何もありません。

なので、レジャー産業が生き残るのであれば、中高年以上に振り切った差別化をするしかないと思います。以前にも何度か書いていますが、例えばスキー場ならカレー・ラーメンなどドカ飯ばかりの食堂ではなく、落ち着いて健康的な食事が食べられるレストランを設置するとか。

わたしが関わったサーフボードでは、中高年以上に最適化したデザイン・仕様にして縮小する日本市場の中でシェアをむちゃくちゃ伸ばし、国内外で類似モデルが死ぬほどでています。

若者を狙ってもそもそもマーケットがないので、中高年以上に特化するのが生き残る道ではないでしょうか。成功すれば、海外からも同年代のニーズが取れるかもしれません。

image by: Shutterstock.com

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