普天間返還“合意”から25年、沖縄県民を失望させた官僚の軍事オンチ

 

私がそれを提示したところ、防衛省の官僚も、米国の国務省、国防総省のシビリアンも、「不可能だ」とにべもありませんでした。しかし、軍人には常識なのです。

私の考えが妥当なことは、2016年10月29日から11月4日まで沖縄本島で行われた、第3海兵師団による「ブルー・クロマイト2017」演習で証明されました。ドック型輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」などで構成するシーベース(海上基地)から発進したMV-22オスプレイなどの航空部隊は、地上部隊を迅速に輸送できるよう、地上部隊の展開地点近くにヘリベースを突貫工事で造成し、待機したのです。米国のシビリアンもまた、軍事知識を備えていなかったのです。

詳しくは拙著『フテンマ戦記 基地返還が迷走し続ける本当の理由』(文藝春秋)を参照していただければと思いますが、素人である官僚に丸投げすることがいかに危険なことか、日米のトップは肝に銘じて欲しいと思います。来年は、こんな嘆き節を書かないですむようになっていてほしいものです。(小川和久)

image by:EQRoy / Shutterstock.com

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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