私がそれを提示したところ、防衛省の官僚も、米国の国務省、国防総省のシビリアンも、「不可能だ」とにべもありませんでした。しかし、軍人には常識なのです。
私の考えが妥当なことは、2016年10月29日から11月4日まで沖縄本島で行われた、第3海兵師団による「ブルー・クロマイト2017」演習で証明されました。ドック型輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」などで構成するシーベース(海上基地)から発進したMV-22オスプレイなどの航空部隊は、地上部隊を迅速に輸送できるよう、地上部隊の展開地点近くにヘリベースを突貫工事で造成し、待機したのです。米国のシビリアンもまた、軍事知識を備えていなかったのです。
詳しくは拙著『フテンマ戦記 基地返還が迷走し続ける本当の理由』(文藝春秋)を参照していただければと思いますが、素人である官僚に丸投げすることがいかに危険なことか、日米のトップは肝に銘じて欲しいと思います。来年は、こんな嘆き節を書かないですむようになっていてほしいものです。(小川和久)
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