人は数字だけで「意思決定」できない。結局最後は“心”に行き着いてしまう理由

 

私はある簡単な実験をしてみました。100名程度いる会場で、次のような質問をしてみたのです。

Q1

あなたはいま預金が5万円しかありません。1万円もらえるか5万円失うか五分五分の機会にかけてみる?「YES」という方は挙手をお願いいたします。

会場で挙手した人はゼロでした。次の質問です。

Q2

あなたはいま預金が10億円あります。その金額が10億1万円になるか9億9995万円になるか五分五分の機会にかけてみる?「YES」という方は挙手をお願いいたします。

会場で挙手した人が数人いました。どちらのケースもポジティブシナリオなら1万円が増え、ネガティブシナリオなら5万円が減るという話です。しかも確率はどちらも同じ。にもかかわらず人間の反応は変わってきます。

確率50% +1万円  → 6万円
確率50% -5万円  → 0円

「YES」は絶対に選べない

確率50% +1万円  → 10億1万円
確率50% -5万円  → 9億9,995万円

「YES」を選べるかもしれない

同じ確率でも結論が変わることがある。それが人間です。ちなみにQ2では手を挙げていた方にその理由を尋ねたところ、以下のような説明がありました。

「まあ別にいいいかな」と思いまして。預金が10億円ありますし。でもQ1は「ちょっとその勇気はない」と感じました。さらにQ1で1万円もらう確率が80%だとしたらどうかなと考えてみたんですけど、やっぱり無理ですね。預金ゼロになるって恐怖です。これが先生のおっしゃるメンタリティってやつなのでしょうか。確かに心理的なものですよね。

例えばある人物が起業するかどうか悩んでいるとして、成功確率が3%という数字を目にしたとします。もしかしたらその確率を見て「やっぱりやめておこう」となるかもしれません。失敗は恐怖です。しかしもしこの人物が重い病気で手術しか生存の可能性がないとします。その手術の成功確率は3%だと医師に告げられます。その確率を聞いて「やっぱりやめておこう」とはおそらくなりません。誰だって生きたいですから。

起業の成功確率3% → NO
手術の成功確率3% → YES

同じ確率3%なのに、結論が変わりますね。

「まあ別にいいかな」「勇気」「恐怖」「生きたい」…。これらに共通するのは、人の心の表現であるということです。同じ確率でもその意味づけが変わったり、意思決定が変わったりする。つまり人間は確率だけで「はいわかりましたそっちに決めます」とはなりにくい生き物なのです。確率で意思決定するのではなく、その確率にどう意味づけするかで意思決定は決まる。そしてそれは、その人の心に大きく影響されるものだということです。

ここまでは「メンタリティがいかに意思決定に関与するか」を説明したに過ぎません。今日は最後に具体的なエッセンスをひとつご紹介しましょう。

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