京大教授が猛批判。緊急事態宣言の延長で「重症患者が逆に増える」不条理

 

4)しかも、緊急事態宣言で人の動きを止めたからといって、収束するわけじゃない

それでもまぁ、もしも緊急事態宣言をやって、それによって医療崩壊リスクは減りも何もしないとしても、一応は、感染者数や重症者数、死者数が減るのなら、それはそれでいいじゃないか…とも思えますが、実に残念なことに、そういう効果は特に見られてはいないのです。

この問題は当方は、この1年間様々な学術研究を蓄積してきており、一貫して「少なくとも日本では、感染収束に自粛は寄与しない」という実証知見を得続けているのですが、ここでは、この「第4波」に絞って、如何に自粛が感染収束に関係無いのかについて解説してみたいと思います。

例えば、コチラのグラフは、この第4波の東京における「自粛率」と「感染増加率」(感染日ベース)のグラフ。

ちなみに、西浦氏達の感染症モデルに基づけば(というか、感染症学の常識に基づけば)自粛率が高まれば、感染増加率が下落する筈なのです。

※ というか、自粛率は、感染者数の下落に直接貢献するのではなく「感染増加率の下落」に貢献するのです。自粛率が感染者数の下落に及ぼす影響は、感染増加率の下落を介した「間接的影響」なのです……というと難しいかもしれませんが、学術的に言うならばそう言う他有りません。この点については、下記動画でゆっくり話ししていますので、ご関心の方は是非、ご覧下さい。

【緊急配信】緊急事態宣言は不要だった?現役京大教授が教える超簡単シミュレーション法

…という話しはさておき、上記グラフよりおわかり頂けますように、両者の連動性はやはり存在していないのです。

具体的に言うなら、(3/28の週にかけて)緩和しつつあった自粛が強化し始めた頃(3/28の週~4/4の週)に、もしも「自粛すれば感染者数の増加率が下がる」のなら、増加率は「下落」する筈なのに、「拡大」しているのです。これは、「自粛すれば感染者数の増加率が下がる」という、皆が当然の様に考えている現象とは「逆」の減少です。

さらには、一方、4/4の週から4/11の週にかけて、自粛率がほぼ変わってないにも関わらず、増加率は激しく下落しているのです。これもまた、「自粛すれば感染者数の増加率が下がる」という考え方が正しくない事を実証的に示しているのです。

つまり、「自粛しても感染拡大は止まらないし、自粛しなくても感染拡大が止まる」という現象が見られているのです。

これと同じ事が大阪でも起きています。というか、大阪の方が、より明確に「自粛なんて、感染収束に寄与しない」ことを示しています。

こちらのグラフをご覧下さい。

2月末の緊急事態宣言解除以降、大阪の自粛率は「低下」し続けており、人々の動きは一貫して3月下旬まで活発化してきたのですが…それにも関わらず、3月中旬に感染者数の増加率はピークアウトしたのです。

つまり感染増加率ピークアウトには「自粛」なんて必要なかったのです。

で、こうして増加率がピークアウトしていけばその内、拡大率は1を下回り、感染者数それ自身が自ずと減っていくことになるのです。

で、実際、4月下旬頃には、感染者数そのものも減少に向かっていったという次第です。

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