根拠示さず数字を並べる読売「五輪選手ワクチン優先」の胡散臭さ

 

2021年2月9日付コラム「鳥の目 虫の目」
コラム子(川島健司記者)は、「五輪が開催されるとして、出場が予定されている選手はワクチンを優先して接種してもらうべきだろうか」と問題提起。ハンガリーやセルビアが選手への優先接種を始めたとし、また古参のIOC委員ディック・パウンド氏の「何百万本というワクチンのうち、300~400本程度をアスリートに優先したからといって、社会からは非難されないだろう」との物議を醸す発言を紹介した後、バッハ会長が選手らによる「割り込み」を否定していることを指摘。コラム子自身も「「ずる」はオリンピアンに最も似つかわしくない言葉だと思う」と批判的なコメント。

2021年2月13日付
米バイデン政権の医療顧問、ファウチ氏が「東京五輪・パラリンピックの開催に向け、日本政府が新型コロナウイルス感染対策のガイドライン(指針)を作成することが望ましいとの考えを示した」とのニュースの中で、以下の記述。
「出場選手へのワクチン接種を優先すべきかとの問いに対しては、「ワクチンの供給状況による」としつつ、「選手村で集団行動をする選手の間で感染が広がる事態を防ぎたいということであれば理解できる」と述べた」という。

*ファウチ氏は、五輪開催の可否については、世界と日本の流行状況によるとして、「決断を下すのは日本だ」とした上での上記発言。日本が基準を示さなければ、こちらは選手団を送ることができないぞと警告を発しているようにも思える。

*4月に入り、自民党政調会長が観測気球を上げる。

2021年4月14日付
タイトル「自民、五輪・パラ代表選手へのワクチン優先接種を議論の方針」の記事中、次の記述。
「東京五輪・パラリンピックに出場する日本人選手への優先的なワクチン接種について、「党においても検討課題になる」と述べ、党内で議論する考えを示した」と。飽くまで検討課題としただけで、下村氏自身は「(優先接種を)すべきだと判断しているわけではない」とも。

*韓国が、選手団にワクチンを優先接種すると発表など。

2021年5月2日付
「【独自】五輪海外選手1万人の6割、接種受けて訪日へ…日本選手への接種方針は未定」との記事の中、IOCがワクチンの選手への接種を強く支持しているとした上で…次の記述。
「組織委などはコロナ対策指針「プレーブック」(第2版)で、「IOCは接種を受けることを推奨するが、大会参加の義務ではない」と明記している。政府は現時点で、日本選手にワクチンを優先的に接種するかの方針は決めていない」と。

2021年5月7日付
ファイザー製ワクチンが各国・地域の選手団に無償提供されることが決まったことを受け、山下JOC会長のコメントを紹介。「山下会長は「(高齢者など)ワクチン接種の優先対象者、医療従事者の活動に影響を生じさせないことが前提」と強調し、「その上で可能なら、日本選手団への接種も検討してほしいと丸川五輪相に伝えた」と語った。接種するかどうかは各自の希望に委ねる方針で、時期については「今後詰める」と述べるにとどめた」と。

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