五輪反対だけで「反日」呼ばわり。辞任後も分断を煽る安倍前首相のネトウヨ脳

arata20210708
 

月刊誌上の対談で、五輪開催反対派に対して「反日」という言葉を用いた安倍前首相。掲載誌編集部はその対象を「五輪を政治利用する野党」とし、前首相の発言を批判する向きについては「印象操作」だとしていますが、仮にも一国の宰相を務めた人物が自国民に対し「反日」呼ばわりすることは、果たして許されるものなのでしょうか。今回のメルマガ『国家権力&メディア一刀両断』では元全国紙社会部記者の新 恭さんが、掲載誌の内容を紹介しつつ、彼らの話の進め方そのものが「極めて政治的な意図」に基づいていると指摘。その上で、「愛国」や「反日」といった二元思考は国民を分断するもとであるとして、前首相の発言を容認できないものとする姿勢を示しています。

国家権力と偏向メディアの歪みに挑む社会派、新 恭さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

五輪開催反対派は「反日」なのか。安倍前首相の貧困なネトウヨ思考

どうやら、安倍前首相の脳内には、「反日的な人々」というカテゴリーの国民が存在するようである。共産党や朝日新聞がその代表例で、「東京五輪の成功が不快」だから開催に反対するのだと、奇妙なことを言う。

月刊誌の対談で、安倍前首相が発言した内容だが、「反日」なる言葉の強烈さも手伝って、ネット上に波紋を広げている。

発端は、7月3日に掲載された毎日新聞のこの記事だった。

安倍晋三前首相は発売中の月刊誌「Hanada」で、東京オリンピック・パラリンピックについて、「歴史認識などで一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対している」と批判した。具体的には共産党や5月の社説で中止を求めた朝日新聞を挙げた。

ざっと読んだ限りでは、五輪開催に反対しているのは「反日」的な人、と前首相が決めつけている印象を受ける。

まさか。なんということを。新型コロナの感染拡大を恐れるからで、「反日」とかなんとか関係ない。今夏の開催を中止、または延期すべきだと世論調査で答えている人々はみんな「反日」なのか。そう訝る人が多いだろう。SNSやブログなどで次々と批判の声が上がり始めた。

作家、平野啓一郎氏のツイッター。

こういう人物が前首相で、10年がかりで日本をぶち壊し、あわよくばもう一度と考えている現実を直視すべき。「非常に自己愛が強いので、批判されることに耐えられない」とは、自分のことではなく枝野氏の分析らしい。失笑。

タレント、モト冬樹氏のブログ。

一国の首相だった人が反日という言葉を軽々しく使ったことにも驚いたが 国民はこのコロナの状況で 無理やり開催される東京五輪に反対している 反日どころか 日本のことを思って反対しているんだ

モト冬樹オフィスブログ ツルの一声「あきれた発言」

あまりの“炎上”ぶりに、月刊「Hanada」編集部のツイッターが反応した。

毎日新聞の「安倍前首相『反日的な人が五輪開催に強く反対』」の見出しに釣られて大騒ぎしていますが、安倍前総理の発言は五輪を政治利用する野党に向けられたものであり、「共産党に代表されるように、」が前置きです。悪質な印象操作!

「反日」はあくまで野党に向けられたものだという。安倍氏になりかわったご親切な弁明だ。これだけではない。実名をあげて、個人への反撃まではじめた。

志位和夫さん、小沢一郎さん、山口二郎さん、鳥越俊太郎さん、米山隆一さん……おなじみの面々が猛抗議していますが、毎日新聞の見出し・引用記事だけで批判しているとしたら、政治家、大学教授、ジャーナリスト、失格です!まさかとは思いますが…。

志位、小沢、山口、鳥越、米山…各氏のツイッターを確認すると、なるほどこの件についてコメントしている。

国家権力と偏向メディアの歪みに挑む社会派、新 恭さんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

print
いま読まれてます

  • 五輪反対だけで「反日」呼ばわり。辞任後も分断を煽る安倍前首相のネトウヨ脳
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け