リモート婚活で出逢った妻が“逆ギレ”離婚。なぜ夫は数千万円と家族を失ったのか?

 

当時はコロナ感染対策として、他の都道府県からの往来に自粛が求められていました。しかし、陽一さんはいても立ってもいられず、思い切って彼女の実家を訪ねたのです。

玄関から出てきたのは、彼女ではなく彼女の父親でした。そして、

「これ以上しつこく付きまとうなら警察呼びますよ」

と一喝され、揚句の果てには「娘はおまえに強姦された」などと言い出す始末。それ以来、怖くて実家を訪問できなくなりました。

「訳がわかりません。だって入籍する前に実家へはちゃんと挨拶に行ってるんですよ。そのときは大歓迎してくれたのに」

そして、進展がないまま時間だけが過ぎていきました。そんな中、彼女から突然、LINEのメッセージが届きました。実に3ヵ月振りの連絡です。

「別れて欲しい。それから分娩のお金とこれからの生活費を払って」

出産予定日より少し前に、帝王切開で赤ん坊は生まれていたのです。陽一さんは念願のわが子の誕生の瞬間に立ち会うこともできませんでした。彼女の帰りをずっと待っていた陽一さんにとって、これは急転直下の展開。彼女から一方的に「縁切り」を宣告されたのです。これはわが子にも今後、会うことができないことを意味します。

1ヵ月熟慮した末、陽一さんは彼女との関係をあきらめることにしました。なぜなら、陽一さんは何度も復縁を申し入れましたが、彼女の反応は「話すことなんてない」「早く別れて」「私の気持ちを考えて」の一点張りだったからです。陽一さんは渋々、離婚を受け入れ、お金のこと(出産費用や養育費)を話し合うことに。

そんな矢先、私の頭にハッとよぎったのは、彼の「財産」のこと。実家に戻って音信不通になるケースでは、財産を持ち逃げされていることが非常に多いからです。

「家計はどちらが管理していますか? 通帳や証券は?」私は慌てて陽一さんに尋ねました。

陽一さんによると家計は自分が管理していましたが、メインバンクの通帳は彼女が持っているとのこと。私は電話口で急いでアドバイスをしました。

「インターネットバンキングで、口座の中身を確認するように」と。

彼はその場でパソコンを使って、銀行のページにログインしましたが、そこには目を覆いたくなるような数字が映し出されていました。

「差し引き残高 52円」

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