リモート婚活で出逢った妻が“逆ギレ”離婚。なぜ夫は数千万円と家族を失ったのか?

 

 すでに手遅れでした。そこには陽一さんが就職してから現在まで、十数年かけて貯めた600万円が貯蓄されていました。彼女が実家に帰った日付に600万円が引き出されていたのです。

それから1ヵ月。陽一さんから私宛にメールが届きました。結局、妻に言われるがまま、毎月10万円の養育費を20年間支払う約束をしたそうです。600万円の貯金を返してもらうこともなく、4千万円の住宅ローンの一部を肩代わりしてくれることもなく、そして1度も謝られることもなく。こうして陽一さんの、わずか1年間の結婚生活は終わりました。

結婚前と結婚後、彼の人生は一変してしまいました。彼が婚活アプリに登録してから、現在までに失ったものの一覧です。

  • 総額2400万円の分割支払(子供の養育費として月10万円×20年間)
  • 4千万円の借金(35年の住宅ローン)
  • 600万円の貯金
  • 50万円の分娩費用
  • 職場、親戚への社会的信用(結婚生活を1年も続けられない人間だというレッテル)
  • 「わが子に会えない」

最後の最後に、陽一さんは私にこう言い残しました。

「僕はごく普通の結婚がしたかっただけなのに、何でこんなことに。僕は今日、35年もの間に築いてきたものをすべて失いました。……悔しいです」

ここまで陽一さんの悲劇的な結末を見てきましたが、これは決して他人事ではありません。残念ながら、世の中には結婚に向かない「結婚不適格者」が一定数、存在します。結婚生活に失敗する人には性悪説(はじめからおかしい)と性善説(結婚生活のなかでおかしくなった)に分かれますが、これは前者です。誰しも決して例外ではなく、誰もが一歩間違えると陽一さんの二の舞になりかねません。特に恋愛は人を盲目にするので、浮かれすぎに注意し、相手を冷静に客観的に、そして中立的に見ることが肝要です。

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露木幸彦この著者の記事一覧

行政書士の露木幸彦が夫婦の離婚、不倫、未婚出産、婚活の法律、交渉術、会話技術を解説明石家さんまさん司会のホンマでっかTV,ブラマヨさん司会の世界のこわ~い女たち、小倉さん司会のとくダネ、バナナマン設楽さん司会のノンストップなどに登場。11冊の著書を持ち累計部数は
5万部を突破。日本経済新聞、朝日新聞電子版では連載を担当。開業から16年で相談2万件の実績。

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【著者】 露木幸彦 【発行周期】 ほぼ 月刊

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