3か月が過ぎた7月8日、韓国政府は国連人権問題担当最高代表事務所(OHCHR)に書簡を送り、対北朝鮮ビラ禁止法は、「国境地域住民の安全を保障するための最小限の制限だけを加えており、表現の“手段”を最小限に制限するものであって、表現の自由に関する本質的な“内容”を制限するものではない」と主張した。
しかし政界では「閉鎖的な北朝鮮社会にメッセージを送れる道そのものを阻止したものであって、手段と内容を区分することに意味があるのか」という批判が出ていた。「国民の力」のファン・ボスンヒ首席報道官は7月11日の論評で、「これは“釈明”ではなく、国際社会という大向こうを相手に目隠しするような言葉遊びだ」としていた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチも、「北朝鮮に対するビラ散布法のように特定の行動を全面禁止するのは、表現の自由を脅かすものだ」と指摘し、さらに続けて「この法は北朝鮮住民に彼らの権利を知らせようとする外部団体を猛烈に非難してきた金正恩とその妹の怒りをなだめることを主な目的として通過した、本質的に政治的なものだ」と述べた。
「韓国政府が国際人権基準を遵守するのに真剣であったならば、そのように広範囲な禁止策を通過させたり執行したりするより、現行法を活用して事例・事件別基準で規制するアプローチを取っていたはず」と述べた。
これに先立ちヒューマン・ライツ・ウォッチは先月の6月、米時事週刊誌タイムとのインタビューで、金正恩について「非常に率直で意欲的で強い決断力を示した」と文在寅が評価したことについても「妄想」という表現を使って強く批判していた。
ここに出てきたヒューマン・ライツ・ウォッチとは、非営利の国際人権組織(非政府組織、NGO)で、世界各地に約280名のスタッフを有しており、スタッフは、地域専門家や法律家、ジャーナリスト、学者などの人権の専門家で、多国籍で多様なバックグランドを持っている。1978年に設立され、世界各地の他の人権団体と協力しながら、正確な事実調査を行い、公正で客観的な事実を報告し、メディアを効果的に利用しながら戦略的なターゲットアドボカシー(政策提言)を進めてきたことで、高い評価を受けてきている。(ウィキペディア参照)。
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