1年の延期の上、史上初の無観客でなんとか開幕に漕ぎ着けた東京五輪。しかしながら新型コロナの新規感染者数の増加は止まることなく、医療の現場では厳しい状況が続いています。この現実を重く見るのは、小沢一郎氏の秘書を長く務めた元衆議院議員の石川知裕さん。石川さんはメルマガ『石川ともひろの永田町早読み!』で今回、ワクチン接種の遅れが鮮明となり、8月中に感染者数が激減するとは考えられない現状を鑑みれば、パラリンピックは延期もしくは中止が現実的との見方を記しています。
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パラリンピックは延期・中止をすべきだ/新たな感染者数が減る見込みなし
東京オリンピックが開幕した。
開会式では王貞治、長嶋茂雄、松井秀喜3氏の野球レジェンドが聖火リレーをつなぎ、テニスの大坂なおみ選手が点火を行った。
圧巻だったのは、ドローンで作られた地球だ。オリンピックはこれまで、時代の最先端技術を駆使したパフォーマンスで開会式を彩ってきた。私が子どものころ、ロサンゼルスオリンピックで空を飛ぶ人間を見たときは、感動したものだ。開会式を前に試合が始まったサッカーやソフトボールも順調に勝ち星を重ねており、夢と希望を国民に与えることになるだろう。
一方で、当初から懸念されていたことが現実になっている。オリンピック開催による感染者数の拡大と医療現場のひっ迫である。
6月の緊急事態宣言の解除は、オリンピック開催を念頭に置いた早期解除だった。これが裏目に出て7月に入って再び緊急事態宣言の発出となったが、新規感染者数の増加が止まらない。
4連休の間は検査数が下がるので、全体的に前週比では下げ止まりになると思うが、4連休明けの7月27日の火曜日以降にドンと上がってくるようだと、政府は緊急事態宣言を神奈川、千葉、埼玉の3県に拡大するなど新たな措置を取る必要に迫られるだろう。
今回の緊急事態宣言が発出されたのは7月12日で、いままで宣言の効果が表れるのは2週間経ってからだった。そうなると7月27日に効果が表れていない場合、デルタ株の感染率は政府の対策を上回る強さだったということになる。
60歳以上の感染者数が2割に達しないということはワクチンの効果が表れてきている証拠だから、ワクチン接種がどこまで進むかが勝負となる。しかし、ワクチンの供給が遅れて集団接種が一時停止となっている状況を考えると、8月中に感染者数が一気に下がることは考えにくい。
オリンピックはすでに開幕しており、これを中断するというのは容易ではない。しかし、パラリンピックは延期または中止にしたほうが医療現場のひっ迫を考えると現実的ではないだろうか。何よりも、パラリンピックに出場する選手が万が一感染した時のリスクは、健常者より大きい可能性がある。
27日以降の新規感染者、今後の病床数の予測を見て決断すべきだ。
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image by: JPstocker / Shutterstock.com