成功者は「話し上手」という誤解。ビジネス心理研究家が明かす“意外な共有点”は

 

では、コミュニケーション能力を磨くうえで、大事な心得をここでお伝えしておきましょう。

それには、米国の心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した、次のような「ザイアンスの3法則」をこそ、熟知しておくことが大切です。「ザイアンスの3法則」は以下の通りです。

  1. 人は、知らない人には攻撃的、批判的、冷淡に対応する。
  2. 人は、会えば会うほど好意をもつ(単純接触効果)。
  3. 人は、相手の人間的側面を知ったときにより強く好意をもつ。

1は 、知らない人が相手だと、何かしら「緊張」と「脅威」を感じるゆえに、相手に対して他人行儀で親切にしてくれないものです。

2は 、「単純接触効果」とも呼ばれますが、短い時間でも、何度も人と人との接触を繰り返していると、相手に対して親しみを覚える効果をいいます。

3は 、「相手の人間的側面」、すなわち性格や職業キャリア、趣味などといった相手の人間性をよく知るほどに、より強い親しみを覚えるということになります。

仲良くなりたいと思う人がいたら、この「ザイアンスの法則」の2と3を効果的に発揮させていくことが大切なわけです。

 

まずは、好意的に頻繁に相手と接触することが大切です。

長い時間ダラダラと相手と接触するより、ほんのわずかな時間でも、相手の目に留まるようにして会釈したり、会話することで、お互いが安心感を持つようになります。これが2の「単純接触効果」なのです。

冬場になると、テレビではインスタントラーメンのCMが頻繁に流れますが、頻繁に視聴者の目に商品を触れさせることで、視聴者に親しみと安心感を植え付け、店頭でその商品を見かけたときには、思わず手に取ってもらいやすくする──という仕掛けでもあるのです。これが「単純接触」の効用です。

もちろん、単純接触の過程で、一度でも相手に悪印象をもたれた場合は、この限りではありません。

一度でも、相手に悪印象をもたれてしまうと、「単純接触効果」は逆効果になり、接触のたびに、余計に嫌われることにもなるからです。

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